続き ページ35
「お、集まってんじゃん」
共有スペースには硝子も悟もいた。
「悟は任務ないの?」
一人でテレビゲームをしている悟に声をかける。
一人でゲームって何が楽しいんだか。
「朝に二件やってきた」
やはり遠いな、なんて悟と自分を比較する。
「あーもう、考えないためにここ来たのに。悟部屋戻れよ」
「なんだよ急に。タイマンか?」
「しねーよ」
悟に中指を立てて、一人煙草を吸う硝子の元へ向かう。
「硝子〜、今日泊まっていい?」
硝子は真顔のまま答えた。
「いいけど。今日は夏油と寝るんじゃなかったのか?」
その言葉に悟がばっと振り向いた。
「え、そういう?」
悟は片手で輪っかを作り、その中に人差し指を抜き差しする。
「死ねよ」
デリカシーの欠片もない悟に呆れる。
「喧嘩したんだよね。悪いのは私なんだけど、やっぱムカつくから腹いせ」
私がピースしながら硝子に言うと、硝子は溜息をついて言った。
「やっぱパス」
「ええ、なんでよ!?」
急な手のひら返しに身体の震えが止まらないわ。
「巻き込まれんのは勘弁」
硝子はとてつもなく面倒そうな顔を私に向ける。
「硝子〜」
涙目で硝子に抱きつこうとした時だった。
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作者名:もんて、 | 作成日時:2021年5月18日 15時