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傑に会うまで半信半疑だったが、彼に会って確信に変わった。
もう、傑はいないのだと。
手をにぎれば握り返してくれる、抱きつけば緩く抱き締め返してくれる、あの大好きな同期で彼氏は、もうどこにも存在しない。
「A、今日一緒に寝ないか」
電気もつけず真っ暗な部屋に細く光が差し込む。
ドアに背を向けてベッドに横たわる私に、硝子が後ろから声をかけた。
「ごめん」
短く返すと、少しの沈黙の後、パタンと静かにドアが閉まった。
廊下から漏れていた光はドアに遮られて消え、部屋はまた暗闇に戻った。
私は暗闇と溶け合うように、意識を手放した。
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作者名:もんて、 | 作成日時:2021年4月10日 16時