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残りの生徒たちがいるグラウンドに着くなり、Aはまた自己紹介を始めた。
「毎日これやってんの？」
五条がミルクティを飲みながら怪訝そうに声をかける。
「見りゃわかんだろ」
真希が面倒くさそうに返す。
「ツナツナ」
狗巻がAと握手を交わしたところで、やっと訓練開始だ。
真希と乙骨、二人をいっぺんに相手して、ものの数秒でボコボコにし、その後Aは目隠しをした状態で狗巻とパンダと交戦し、見事圧勝した。
「くそっ」
滴る汗を拭いながら真希がAと二度目の手合わせをする。
「ふむ、確かに皆成長してるね。Aがあんなだから手応えは感じてないみたいだけど」
その証拠に、Aは初日とは違いほんのり汗をかいていた。
「あの……」
五条の後ろから恐る恐る声をかけたのは、五条のかつての後輩であり、今は補助監督をしている伊地知潔高だった。
「あれ、なんでここにいんの？」
五条に声をかけられただけでびくっと大袈裟に肩を揺らし、顔色を伺いながら説明する。
「赤羅さんに任務を伝えに……」
五条は伊地知の持っていた任務の書類をひょいと奪うと、ふむふむと目を通した。
「さては、忘れてるな。普段任務だけは忘れないような奴が忘れてるなんて、訓練が楽しいならそう言えばいいのに」
五条はにっと笑いながら伊地知に言った。
「すぐ行くように僕から伝えとくよ。伊地知は車で待ってて」
「分かりました……」
伊地知はちらちらと振り返りながら来た道を戻って行った。
「おーい！訓練は一旦おしまい！Aはすぐ任務に向かって！皆は僕が相手するよ」
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作者名：もんて、 | 作成日時：2021年4月10日 16時
