【呪術廻戦】今度こそ君に祝福を＿１ (ページ13)

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高専の広いグラウンドに五条悟、赤羅A、三人の生徒とパンダは集まっていた。

「外部講師の赤羅Aちゃんでぇす！」

「どうも、一級術師の赤羅Aです」

場違いな明るさでそう高らかに宣言する五条と、テンション氷点下のA。

「呪具の扱いはピカイチだよ。初見の呪具でも難なく扱える。なんなら、呪具の才能は僕よりあるくらいだ。真希と憂太は色々聞くといい。棘とパンダも、呪具を使う戦闘は慣れてないし、普段呪具を使わなくても必要な時があるだろうから、Aから拾えるものはちゃんと拾っとくんだよ」

「よろしくな、俺はパン」

パンダ、と言おうとした所でAが遮った。

「必要ありません、覚えられないので」

え、パンダも？と困惑するパンダ。

「Aは訳あって、人の顔と名前を覚えられないから、皆にはこれを付けてもらいます！」

そう言って、テッテレーとセルフ効果音を付けながら五条が取り出したのは、”禪院真希”、”狗巻棘”、”乙骨憂太”、”パンダ”とでかでかと書かれたゼッケンだった。

「なんだこれ」

怪訝な顔をしながらゼッケンをつまみ上げる真希。

そのままAに詰め寄り、こう言った。

「あたしは苗字で呼ばれたくないから真希でいい。それくらい覚えられんだろ」

Aは、自分より少し背の低い真希を見つめ、無表情で言った。

「乙骨憂太ってどれ？」

「は？」

真希は急な方向転換に顔を顰めた。

「憂太がまだ呪術師になりたてだから、彼を重点的に見てあげるように僕がさっき言ったんだ」

五条が助け舟を出すが、Aは気にも止めずに続ける。

「ゼッケン早くつけて。始めましょう」

Aは会話のキャッチボールをする気がないし、生徒たちはそれについていけず呆気にとられている。

五条は面倒くさくなり、にこにこと笑うだけで何も言わなくなった。

前途多難、である。