嫌よ嫌よも好きのうち。( takaki×inoo ) (ページ9)

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ep9 ページ9

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「伊野尾くん！一緒にご飯食べない？」

「勝手に食べれば。」

俺が茶髪にしてから伊野尾くんは少しだけ俺に優しくなった気がする。ほんと少しだけ。

「やったー！じゃあ隣失礼！」

机を勢いよく横にくっつけて弁当を置く。

「あ、やば。今日寝坊して弁当作ってないんだった。」

ガタンと立ち上がる伊野尾くん。

「えっ、伊野尾くん弁当自分で作ってんの？」

「うん。食堂行くわ。」

「待って！俺も行く！」

「お前弁当あるじゃん。

………本当に俺のストーカーみたい。」

「なんでストーカーなんだよ！ちゃんと着いてくって宣言してるんだからストーカーじゃないだろ！」

伊野尾くんが口角を少しだけあげてふっと笑う。最近はこの笑顔見るたびに俺まで嬉しくなってしまう。もっと笑顔見てみたい。

「ウワーーー！今日に限って財布忘れた！」

「そ。じゃあ1人で行く。」

スタスタと教室を出て行く伊野尾くん。なんで俺は財布持ってきてねぇんだよ、クソ！

「雄也？」

「んー？」

横から声を掛けてきたのは山田。

「なんで最近伊野尾ちゃんにベッタリなの？」

「んー伊野尾くんに俺のこと惚れさせたいから？」

「………へー。伊野尾ちゃんのこと好きなわけじゃないの？遊んでるだけ？」

俺の中では伊野尾くんを遊んでるつもりは全くない。

でも好きでもない奴にこんな態度取ってたらそう思われても当然かも。

「そうなんだね。」

山田と俺の間に沈黙が流れる。笑いもしないし怒りもしない。ただただ見つめあって沈黙。

「……さ、弁当食お！」

耐え切れなくて机の上の弁当に目線を落とす。

横からの視線を痛いほど感じる。

たまに山田って何考えてるか分からないくらい怖い目する。

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キーンコーンカーン

授業が終わっていつも通りすぐ教室を出てく伊野尾くん。今日はその後を追いかけてみる。

「伊野尾くん一緒に帰ろ。」

そう声をかけると鬱陶しそうな顔で振り返ってくる。

「高木、本格的にストーカーかよ。」

「バイクで送ってあげるから！」

嫌々いう伊野尾くんをどうにか玄関まで引っ張ってバイクの後ろに乗せた。

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