ep3 ページ3
side.inoo
「げ。」
「おはよ、伊野尾くん!」
なんで朝からこいつに会わなきゃ行けないんだよ。
俺の家から学校まで駅2つ。学校まではいつも電車で来てる。いつも通り電車を降りて学校まで行こうとしたら高木が電柱にもたれかかって立っていた。
電車通学じゃないくせに、いつもこんなとこ通らないくせになんでいるんだよ。
金髪なんでヤンキーみたいだし、周りの人が俺たちを避けて歩いてる。
「高木くん。俺は今から学校行かなくちゃいけないから暇じゃないんだ。それじゃ。」
サブバからイヤホンを取り出して両耳につける。高木の声をシャットアウトするため。
ブチッ
「何聞いてんの〜?」
片方のイヤホンを強引にとって自分の耳につける高木。
朝からうざい。
「てか、俺も今から学校なんだけど。あとその高木くんって呼び方やめてよ〜。俺も慧くん♡って呼ぶからさ。」
「気持ち悪いからやめろ。」
取られたイヤホンを奪い返して急いで学校に向かう。
こんなやつと一緒にいるところ他の人に見られたくない。仲良いと思われたくない。俺は高木と他人、他人。
ブォォォォォォ
「ねえ!俺学校までバイクで来てんの。乗ってかない?」
まじかよ、こいつ。ほんとにヤンキーじゃん。
無視。無視。
バイクが入ってけないような細道を見つけて走ってそこに入っていく。
「あ!ねえ!ちょっと!いのおくーーぅん!」
後ろから聞こえる声がだんだん小さくなる。
ふぅ、諦めたか。良かった。さっきのイヤホンをつけ直して、少し遠回りだけど学校まで向かう。
って、俺同じクラスだから学校でも会うじゃねーか。もう最悪だよ。
.
チャイムが鳴るギリギリに教室に滑り込む。
少し息切れしてる俺に山田が話しかけてくる。
「伊野尾ちゃんおはよー!あれ、なんか疲れてない?」
「いや、変質者に追いかけられて。」
「変質者?そりゃ災難だったね。」
お疲れお疲れと言いながら肩を揉んでくる山田。ほんとに朝からすごい疲労感。あいつのせいで。
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作者名:みはる | 作成日時:2016年9月1日 23時