嫌よ嫌よも好きのうち。( takaki×inoo ) (ページ19)

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ep19 ページ19

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「……ん、…」

ベッドを背もたれにするように寝ていたら、伊野尾くんの声がして目が覚める。

「伊野尾くん起きた？大丈夫？」

「うん、さっきよりマシ。」

「喉乾いたでしょ？これ飲んで！あと、なんか食べる？おかゆ、作るよ。」

買ってきたスポーツ飲料水を伊野尾くんに手渡して台所に向かおうと立ち上がる。

「……高木、ありがとね。」

弱ってる伊野尾くんは素直で可愛さが爆発してる。

いや、いつもはツンツンしてるけどもしかしたらこっちが本物の伊野尾くんなのかも。

「どういたしまして。」

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おかゆ作るなんて言ったけど、料理なんかほとんどしない俺はスマホで調べながら作ってなんとか完成した。

「はい、出来たよ～」

伊野尾くんを起き上がらせてあげておかゆをすくってアーンさせると意外とちゃんと食べてくれた。

「…おぇ、まずい」

「え、嘘？」

「嘘。美味しい。」

「まじで！良かったー！」

パクパクと食べてくれる伊野尾くんを見て一安心。良かった、食欲はあるみたい。

「ありがと。美味しかった。」

途中から自分で食べ出した伊野尾くんはお椀に入ってた分を完食した。すぐに布団に入って横になる。

食欲あって良かったと思ったけどなんか顔色悪くなってないか？

「伊野尾くん、無理して食べたんじゃない？」

「別に。無理してないよ。でももう寝る。」

「そ。ならいいけど。」

布団をかぶって壁側を向いて寝てしまったからもう俺はいなくていいかな。食べ終わった皿を持って台所に向かう。

美味しいって言ってくれて良かった。初めて作ったおかゆだったのに美味しいなんて俺以外と料理の才能あるんじゃね？

鍋に少しだけ作った残りがある。上手にできた記念に食べてみるか。

スプーンを鍋に直接入れて一口食べてみる。

「っ、マッッッッッズ！」

なんだこれ！まずすぎる！罰ゲームかよ。

てか、甘いし焦げてて苦い。

これ完璧塩と砂糖間違えてる……。

伊野尾くんこんなの食ってたのかよ。何も言わず、全部食べてくれたのかよ。

俺だったらこんなの不味くてくえないよ。

「伊野尾くんの方が、馬鹿じゃん。」

おかゆが入ってたお椀とスプーンだけが置いてあるシンクを見つめてそう呟く。

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