嫌よ嫌よも好きのうち。( takaki×inoo ) (ページ16)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:140,383 hit

ep16 ページ16

side.takaki

伊野尾くんがワガママを言って俺に嫌いにらせようとしてるのかな？ってのは薄々気付いてた。

今まで冷たい対応ばかりされてたんだからそんなこと今更しても変わらないのに。むしろたくさん話しかけてくれて嬉しい。

「高木、疲れたからお風呂入れて～」

これにはさすがに驚いた。俺のことまったく男としてみてないんだなと思って。

男同士なんだからそれで当然なんだけど。俺今まで死ぬほどアピールしてたのに、気付かなかったの？

伊野尾くんの鈍感さに腹がたつ。

気付けばお風呂場で伊野尾くんを押し倒してた。

蹴られるまで正気に戻れなかった。俺は何をしてるんだ。

伊野尾くんさすがに帰っちゃったかな、と思ってリビングに戻るとバスタオルにくるまってちいさくなってる伊野尾くんがいた。

「伊野尾くん、ごめんね。」

後ろから抱きしめてそう言ってみる。

「触んな！……へっくしゅん……う、寒い」

本当のくしゃみが疑うほど可愛いくしゃみをしてぶるっと震える伊野尾くん。

「ベッド行く？」

「はぁ！？行かねーよ！」

「ぶっ(笑)違うって、布団に入ったほうがあったかいでしょ？今日はベッド使っていいから。」

抱きしめる手を離すとちょっと黙ってしばらく考え込んだ伊野尾くんはバスタオルにくるまったままのそのそと歩き出す。

「そっちじゃないって！分かんないなら聞いてよ。こっち。」

寝室に案内するとバスタオルを放り投げてベッドにダイブする伊野尾くん。

「うお～柔らか～。早く布団かけて、さみーんだよこっちは。」

布団をかけるって伊野尾くん布団の上からダイブしてんだから下敷きになってるんだけど。

ま、いっか。

伊野尾くんの下敷きになってる布団を勢いよく引っ張ってみる。

クターっとなってた伊野尾くんがいきなりくるくるっと回転してしまった。ビックリした伊野尾くんは慌てふためいてる。

「あははは(笑)伊野尾くん最高すぎ(笑)」

思わず爆笑してしまった俺を睨みつけて手をグーにして逆さまにしてくる。俺、伊野尾くんの使い方かなり慣れてきたかも。

睨みつけてる伊野尾くんは無視して布団をバサーッとかける。

「今日はごめんね。明日学校休みだしゆっくり寝なよ。」

相変わらずブスッとしてる伊野尾くん。

頭を撫でようとするとパチンと手を弾かれる。

.