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【5thGame サツリクかくれんぼ】
皆が隠れている場所を、クロから秘密裏に知らされていた。
その部屋に誰がいるのかは分からなかったけど。
だから、誰も隠れていない部屋に入って自爆というリスクは無かったの。
私は、誰かが隠れたらしいレッスン室に入ることを決めた。
レッスン室にいたのは、ころあだった。
驚いた顔をして私を見たころあは、すぐにいつもの表情に戻ると
「誰もいない部屋にいかなくてよかった」
「殺してほしいけど、犯罪者にはなってほしくないから任せる」
なんて、いい子ぶったことを言っちゃって。
神妙そうなフリをして聞いていたけど、ころあの話が終わるとその演技をやめた。
これから死ぬ人間の前で演じてもしょうがないから。
最後に本音を聞かせてあげようと思った。
「私ね、ころあのそういうところが大っ嫌いなんだ。別に私の分まで生きなくていいから、死んでくれる?」
そして、背中に隠してたロープを心愛の首にかけた。
ころあは驚いたように顔を強張らせると、「そっか……」とだけ悲しそうに言ってた。
「じゃーね、ころあ」
ロープを思いっきり引っ張った。
手が痛くなるくらい。
「ずっとずうっと思ってたの。このゲームに応募した時から、アンタを真っ先に殺そうって。今回当たれてラッキーだったな〜。だって、殺しても言い訳ができるからね〜」
ころあは抵抗しなかった。
苦しそうに顔を歪めたころあは、すぐに動かなくなった。
「……あれ、死んじゃった?ふうっ、疲れた。もっとナイフとか選べば良かったや」
あっけなくて、物足りなかった。
それでも、私の心を高揚させるのには充分だった。
しばらくしてから、にやけが抑えられない口元を隠して、憔悴したふりをして、皆のところに行った。
ああ、そういえば、この時は心配してくれてありがうとうね、みらいちゃん?
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「というわけ」
葵は、想像もしたくないようなおぞましい出来事を饒舌に話してみせた。
紅愛と未来はただ呆然と聞いていた。
やっとの思いで、紅愛は言葉を口に出した。
「葵……嘘でしょう?」
葵は飄々として答える。
「本当だよ〜、ごめんね?皆が大好きな優しい葵ちゃんじゃなくて。……まあ、私も頑張ってたんだけど。葵になれるように」
「……何を言ってるの?」
「まだ、わからないの?だから、私は葵じゃないの」
「え?」
「葵はずっと前に死んじゃったんだよ」
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みらーぼーる(プロフ) - 花乃子さん» そうでしたか…💦ありがとうございました🙏 (5月14日 16時) (レス) id: 86351c9672 (このIDを非表示/違反報告)
花乃子(プロフ) - みらーぼーるさん» 公開していたのですが、恥ずかしいので現在は参加者様のみの閲覧に限定させて頂いてます🙏🏻ごめんなさい💦 (5月14日 16時) (レス) id: b739fbefbf (このIDを非表示/違反報告)
みらーぼーる(プロフ) - コメント失礼します!「絶ステ本編・あとがき」を公開する日にちはいつですか?公開する予定はありますか?🤔 (5月14日 16時) (レス) id: 86351c9672 (このIDを非表示/違反報告)
花乃子(プロフ) - 救世主さん» ありがとうございます✨キャラクターは他の方に作って頂いた子達で、素敵なキャラクターばかりだったので本編執筆が捗りました! (5月14日 13時) (レス) id: b739fbefbf (このIDを非表示/違反報告)
救世主(プロフ) - 完結おめでとうございます🥳🎉キャラクターがそれぞれ個性的なのが魅力だと思います👍1人1人に裏の面があったり、設定がしっかりしていて飽きずにずっと楽しく読ませていただきました!とっても面白かったです💗🥰 (5月13日 1時) (レス) @page39 id: 0bbfc75c53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花乃子 | 作成日時:2023年3月31日 22時