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2時間の間、南詩乃は考え抜いた末、自分ではない1人に票を入れた。

もちろんその人に死んでほしい訳じゃない。

でも、死ぬのがただただ怖かった。


『それじゃあ、お待ちかねの結果発表といこうか!』


「え」
映し出されたグラフを見て、間抜けな声が口から溢れ た。

詩乃の得票数はダントツで多かった。


『そして第1位は……南詩乃!おめでとう!』


「ちょっと、待ってください!私は不正なんてしていません!」


『往生際が悪いねー。まあ、そこまで言うなら証拠を見せてあげよう』


スクリーンが切り替わり、映像が映る。
視点を見るに監視カメラの映像のようだ。
隅に表示された日付は、+Petalのオーディションの前日だった。
そしてその場所は、+Petalの事務所の一室のように見える。

事務所の応接室に、2つの人影が入ってきた。
1人は+Petalのプロデューサーである倉木という男性。

そして、そのあとに続いて入ってきたもう1人の顔が映ったとき、詩乃は困惑した。

――どうして、お父さんが……

紛れもなく、詩乃の父親だった。

でもこれだけなら、娘が受ける事務所に挨拶をしに来ただけかもしれない。
それくらいなら過保護な父なら充分にあり得ることだ。

2人は向き合って座ると、父の話し声が聞こえてきた。

「娘の詩乃がそちらのオーディションを受けるそうで。ですが、正直なところ娘はどうも向いていないと思うのです。歌もダンスも経験が無いものですから」

父の言うことは事実だ。でも表面上は前向きに応援してくれていたのに、本音では無かったのだと思うと悲しくなった。

「娘は昔から受動的な子でしてね、自分からやりたいと言ったのはこれが初めてで。親としてはなんとか叶えてやりたいと……」

父はにこやかにそう言うと、バッグから何かを取り出した。
封筒だ。分厚く膨らんでいる。
何が入っているのか、想像に難くない。

倉木は差し出された封筒を見て、受け取れないというように手を振った。
「いやいや、困りますよ」

「いえ、これは個人的な贈り物です。ですから、受け取って頂いても、何かをしろなんて言いませんよ。ほら、ご遠慮なく」

倉木は躊躇いを見せつつも、それを受け取る。

「娘から朗報が聞けることを楽しみにしてます」
張り付けた笑顔を見せると、父は立ち去った。

そこで映像がぷつりと途切れた。



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みらーぼーる(プロフ) - 花乃子さん» そうでしたか…💦ありがとうございました🙏 (5月14日 16時) (レス) id: 86351c9672 (このIDを非表示/違反報告)
花乃子(プロフ) - みらーぼーるさん» 公開していたのですが、恥ずかしいので現在は参加者様のみの閲覧に限定させて頂いてます🙏🏻ごめんなさい💦 (5月14日 16時) (レス) id: b739fbefbf (このIDを非表示/違反報告)
みらーぼーる(プロフ) - コメント失礼します!「絶ステ本編・あとがき」を公開する日にちはいつですか?公開する予定はありますか?🤔 (5月14日 16時) (レス) id: 86351c9672 (このIDを非表示/違反報告)
花乃子(プロフ) - 救世主さん» ありがとうございます✨キャラクターは他の方に作って頂いた子達で、素敵なキャラクターばかりだったので本編執筆が捗りました! (5月14日 13時) (レス) id: b739fbefbf (このIDを非表示/違反報告)
救世主(プロフ) - 完結おめでとうございます🥳🎉キャラクターがそれぞれ個性的なのが魅力だと思います👍1人1人に裏の面があったり、設定がしっかりしていて飽きずにずっと楽しく読ませていただきました!とっても面白かったです💗🥰 (5月13日 1時) (レス) @page39 id: 0bbfc75c53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花乃子 | 作成日時:2023年3月31日 22時

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