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ちょっと昔話をしようと思う。

私の家族の話。


お父さんは若い頃俳優だった。すごく有名だった訳ではないけど、そこそこ実力はあったらしい。不慮の事故で顔に大きな傷を負ったせいで、夢半ば俳優を辞めることになってしまった。現在は普通のサラリーマンをしている。

お母さんはそんなお父さんの熱心なファンで、お父さんの引退の知らせに落ち込んでいたとき、仕事先の飲食店に偶然お父さんが現れて、それを期に互いに知り合って、付き合い始めたんだって。

お母さんは結婚してからもお父さんのことが大好きで、ずっとお父さんの言いなり。
お父さんは自尊心が高くて、自分の考えが正しいと思い込んでるような面倒くさい人だった。

そんな2人のもとに生まれたのは、双子の女の子。
姉のほうが葵で、妹の私は茜。

2人とも子供は男女1人ずつが理想だったらしい。
だから女の双子を授かったのは想定外。そんなわけで、妹の私は要らない子だった。

葵は家族計画に当てはまった、望まれて生まれてきた子。両親にとっては、私はおまけについてきた要らないおもちゃのようなもの。生まれてくるのにちょっとの差があっただけなのに、私たち双子には雲泥の差があった。


両親は、姉の葵は甘やかすのに、私には冷たく接した。

そんな育てられ方をしたからなのか、生まれ持った性格なのか、わからないけれど、葵はマイペースで自由奔放、人懐っこい女の子になった。
その一方で、私は内気で根暗な子どもになってしまった。

明るい葵は皆に好かれ、暗い私は皆に嫌われる。
葵は沢山の友達に囲まれ、私はいつも一人ぼっち。
いつだって、私達は正反対。

だけど、私たち双子は仲良しだった。互いが互いのことを一番理解していた。小さいときに一度、二人で入れ替わって両親の前で振る舞ったことがあったけど、全く気づかれなかった。
それがなんだか怖くて、その遊びはそれっきり。

幼稚園や小学校に通うようになって、私たちの差はより明確になった。

葵は友達と外で駆け回って遊んで、私は室内で本ばかり読んでた。
本が好きだったんじゃない、周りに馴染めなくて仕方なく一人で過ごしてただけ。

子供らしくない私を、両親は余計に嫌った。私は両親が嫌いじゃなかった。むしろ大好きだった。だから、認められたくて、喜んでほしくて、誕生日プレゼントを作ったり、手伝いをしたりしていた。だけど、受け入れてはくれなかった。



2→←Chapter8.茜色と酸性雨



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設定タグ:絶ステ , 募集企画本編 , デスゲーム , オリジナル作品
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みらーぼーる(プロフ) - 花乃子さん» そうでしたか…💦ありがとうございました🙏 (5月14日 16時) (レス) id: 86351c9672 (このIDを非表示/違反報告)
花乃子(プロフ) - みらーぼーるさん» 公開していたのですが、恥ずかしいので現在は参加者様のみの閲覧に限定させて頂いてます🙏🏻ごめんなさい💦 (5月14日 16時) (レス) id: b739fbefbf (このIDを非表示/違反報告)
みらーぼーる(プロフ) - コメント失礼します!「絶ステ本編・あとがき」を公開する日にちはいつですか?公開する予定はありますか?🤔 (5月14日 16時) (レス) id: 86351c9672 (このIDを非表示/違反報告)
花乃子(プロフ) - 救世主さん» ありがとうございます✨キャラクターは他の方に作って頂いた子達で、素敵なキャラクターばかりだったので本編執筆が捗りました! (5月14日 13時) (レス) id: b739fbefbf (このIDを非表示/違反報告)
救世主(プロフ) - 完結おめでとうございます🥳🎉キャラクターがそれぞれ個性的なのが魅力だと思います👍1人1人に裏の面があったり、設定がしっかりしていて飽きずにずっと楽しく読ませていただきました!とっても面白かったです💗🥰 (5月13日 1時) (レス) @page39 id: 0bbfc75c53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花乃子 | 作成日時:2023年3月31日 22時

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