キミノトナリニ。【YOU】 (ページ27)

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運命やろ？ページ27

その後も、いたって普通に、なんにもなかったように過ごした。

キミくんには何の変化もなかった。

いままでのように一緒に過ごし、

一緒に飲んだり、

お泊まりして身体を重ねた。

キミくんはいつも通り優しかった。

ある日、

ヨコ『俺明日スタッフさんと飲みに行くから、遅なるから。』

って、言われて。

もちろん今までもこんなことは何度もあったのに、自分の中で疑いの気持ちが芽生えてることに気付いた。

A『そうなんだ。じゃあ…あたしも友達と飲みに行こうかな。』

あーぁ、こんなことなら、大倉くんの言ってたようにちゃんとケンカでもしとけばよかった。

変に勘繰って疑ったりするのって、最低…。

こんな時に限って、いつもの飲み友達が誰もつかまらない。

ひとりで家呑みでもよかったんだけど、なんとなく、外で過ごしたくて、前にキミくんとデートしたお店に一人で行った。

オーナー『カウンターでいいですか？』

A『はい。』

一人呑みなくせに、美味しい料理と、あたしの中に溜まった気持ちとでお酒が進んだ。

一時間くらい過ぎた頃、５～6人の男性客が入ってきた。

『奥の部屋空いてます？』

オーナー『おぅ！空いてるよ、どうぞ。久しぶりだね、大倉くん！最近忙しそうだもんね！』

パッと振り返ると団体の中に大倉くん。

何となく、一人で飲んでるの見られたくなくて、背を向けた。

でもまたオーナーさんのお節介…。

オーナー『あ！知り合いじゃなかったっけ？』

A『え？』

大『あーーーー！！Aちゃーーん！！また会ったねー！』

そう言うと、隣に座ってきた大倉くん。

A『こんばんは。ほら、みんな奥に行ったよ。』

大『えーのえーの。野郎ばっかでもうすでに飲んで来たとこやし。』

いつもよりちょっとご機嫌な大倉くん。

大『こんな可愛い子が一人で飲んでたらナンパされんで？』

A『大丈夫ですぅー。』

大『俺ら運命やろ？こんなあちこちで偶然会うとか！よっしゃ、今日はAちゃんと飲もうかな！ちょっとあいつらにゆーてくる！』

A『ちょっと！！』

あたしの確認もせずに、行ってしまった大倉くんは、

大『オッケーでーす！さっ、飲もか！』

ってニコニコで帰ってきた。