キミノトナリニ。【YOU】 (ページ23)

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うしろめたい。ページ23

ヨコside

Aに、『ハンバーグ食いたい。』ってメールして、残りの仕事をこなしていた。

全部終わってふとケータイを見ると、充電が切れていた。

やべっ。

早よ帰ろ。

いそいそと帰る準備をして。

マンションの前に着いた時。

ちょこんと座っている女の人が目に入ってきた。

『キミくん…久しぶり…。』

ヨコ『え…どしたん…。』

もう別れて二年になる元カノ、エミだった。

エミ『旦那が…暴力振るうの…助けて。』

泣きながら話すエミ。

顔や腕にはアザがあった。

ヨコ『ごめん…。俺は…今お前をどうしてやることも出来んよ…。』

エミ『そーだよね…ごめん。いつも勝手なことばかり言って…。』

二年前、別れた原因は俺が自分の置かれた立場や仕事を優先したから。

エミが俺を待てなかったから。

つまり、結婚の約束をしてやれず、別々の道を歩くことに決めた。

キライになって別れた相手ではないから…

その一年後、エミが結婚したって友達から聞いて、その時やっとオレの中でのエミとの関係が終わった気がしていた。

エミ『ごめんなさい…ホントに。今更…だよね。』

とぼとぼと帰る後ろ姿を見て、たまらん気持ちになった。

気が付くと、一緒にタクシーに乗っていた。

家に帰れないエミをホテルまで送った。

ずっと泣いているエミのそばに居てやった。

手を握って、

頭を撫でてなぐさめた。

エミが寝付くまで隣にいた。

エミの寝息が聞こえたのを確認して、俺はホテルを出た。

もう外はうっすら明るくなりはじめていた。

充電が切れてたケータイ。

そうやった…俺…。

急いで家に帰って部屋に入ると、ソファーで丸くなって寝ているA。

ヨコ『…ごめんなぁ…。』

前髪をかき分け顔を覗きこむと涙のあと。

俺、何してんのやろ…。