夏の思い出【青】 (ページ12)

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言えた言えたよ!

安堵の表情を浮かべるとクラスのみんなも拍手をしてくれた。

「じゃあAさんは1番後ろの窓側の席ね……
ってアイツまだ来てないのか。まったく。」

言われた席の方を見る。

でもそんなことより気になることがあって、

ちょうど私の席の空いている横の席に視線を向ける。

アイツ?

とりあえず席につこう。

まだ緊張が解けない体を頑張って動かして後ろまで移動する。

席に座り、
今度は後ろからの教室を見る。
やっぱり緊張解けないなあ。

なんだか教室が広く見える。
クラスのみんなとの距離が遠くなっている気がして、また心臓を圧迫される。

アイツって誰だろう。
まだ空いている横の席に視線を落とす。

まだ来てない。男の子、だよね。

「うわああ、すみません～!遅れちゃいましたああ」

どこからか雑にドアを開けながら
元気に挨拶してくる声が聞こえてきた。