第六話 ページ7
「それでさ〜」
コンコン
司と喋っていたら、女子部室のドアがノックされた。奈乃は今日は委員会だから、まだ来ないはず・・・・・・ということは、
「梨華さーん」
涼真の声だ。ちょっと面倒臭そうなので、無視して司と話していた。
「で、隼人がうっざいの!!」
司は、隼人に何かされたらしく、今日はずっとこの調子だ。私が苦笑していると、また、ノックが聞こえた。
コンコンコン!
さっきよりも酷く叩かれたドアを一睨みして、ドアを思いっきり開ける。
「何!司なら渡さないよ?」
「いや、貰いません。じゃなくて、梨華さん来てください!」
「・・・・・・は?」
多分、涼真の所へ行かないと、もっと面倒臭くなる。そう思って、素直に部室から出て、涼真の所へ行こうとした――――――
「きゃああぁぁぁ!!!!」
聞こえたのは、私の奇声。「キャー」なんて、マンガの世界か、ぶりっこの悲鳴かと思っていたけど、私からも出るらしい(他人事)。
「予想以上・・・・・・梨華さん、そんな声出るんですね」
何故叫んだのかというと、涼真に『セミの抜け殻』を投げられたからだ。
私の声に驚いている涼真を睨むと、涼真は笑いながら何処かに消えていった。
「はぁ・・・・・・ばっかみたい。梨華ちゃん、大丈夫?」
「むりぃ・・・・・・」
私は、虫が大の嫌いだ。ダンゴムシも触れないほど。そのせいで、空手部の男子にはよくからかわれる。
涙目になっている私を気遣って、司は抜け殻を外に放り出してくれた。
「てか、梨華ちゃんも梨華ちゃんだよ。あんな叫ばなくても良くない?もう何回目?」
戻ってきた司が言う。その言葉通り、私は虫関連で何度も叫んだことがある。
「無理。ほんとに嫌いだもん。」
嫌いなものは嫌いなのだ。私の言葉を聞いた司は、苦笑していた。
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作者名:ふらわぁ | 作成日時:2019年7月7日 17時