許してください･･････【名前変換オリジナル】 (ページ5)

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第四話ページ5

空き教室の扉を閉めると同時に、私の口が開く。

「何言ってんの！？」

「何言ってるんだろう、私！」

どうやら無自覚だったよう。全くこの人は･･････呆れながら窓の向こうを見ると、見覚えのある人物が、こちらを見上げていた。

「･･････誰あれ。」

後ろから窓を除いていた奈乃が、疑問を口に出す。冷静な口調だけど、心なしか興奮しているようにも見える。というか、興奮している。

「顔赤いよ、奈乃」

いかにも女の子らしく頬を紅潮させている奈乃を少しからかってみる。

「赤くない！てか、あれ誰！」

さっきよりも顔の赤くなった奈乃が語尾を強めて聞いてくる。･･････出来れば、他人のフリをしたいのだけど。

「えとぉ、そのぉ･･････」

「誰得なぶりっこ！？あのイケメンは誰？」

奈乃の赤面の理由は、窓の向こうにいるイケメン。そして、その正体は･･････

「幼なじみですね、はい。」

「幼なじみ･･････？受け･･････いや、攻めもアリだな･･････」

「･･････」

妄想の世界へ飛び立ってしまった奈乃を置いて、私はイケメン――――――神道陽香のいる場所へ、足を速めた。

「梨華！迎えに来た！最近、来れてなくてごめんね･･････怒ってない？」

「怒ってないよ、ハル。」

陽香のニックネームは『ハル』だ。なんだか女の子みたいだけど、違和感がないのがハルのすごいところ。

「で、いきなりどしたの？のろけは聞かんよ？」

大体の少女漫画では、幼なじみに告白されたりするけど、ハルには恋人がいる。とても可愛い子が。

「うん、今日は違うよ。梨華と会いたくなっただけ。」

ほとんどの女子がトキメクであろう言葉を放ち、切なそうな笑顔を見せるハル。

「どうしたの、ハル。その顔、らしくないよ？」

この顔は受けだなぁとか思いながら、一般的な返事を返す。ハルが口を開いたのは、その三秒後――――――