許してください･･････【名前変換オリジナル】 (ページ1)

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第一話ページ1

「梨華ー、ってまた絵？飽きないねぇ」

そう言って私の前の席に座ったのは、親友の藤井奈乃。同じ空手部に所属している、美人さんだ。

「飽きないよ。大好きだもん。」

それで、私が山坂梨華。この前、中学三年生になった。

「で、なんか用？」

「そうだよ、なんか用。あのさ、今日の部活、私と司、休むから。」

「うそー、最悪じゃん･･････」

ごめんごめん、と笑顔で手を合わせる奈乃には、今度アイスを奢ってもらうと勝手に決めた。

私と奈乃は、空手部に所属していて、司というのは奈乃の一個下の妹。ちなみに、空手部は全員で16人もいるのに、女子は3人しかいないのだ。それが、奈乃と司が休むとなると･･････

「あれ？今日は女子梨華さん一人ですか？」

そう。女子が私一人になるのだ。これまでも何回もあったのだが、なかなか慣れることはない。

「うん、一人･･････」

「いつも思いますけど、梨華さん一人の時テンション低くないですか？」

放っておいてほしいのに、空気を読まずに話しかけてくるこいつは、浦川隼人。後輩の一人だ。

「当たり前じゃん。あんたも男一人は嫌でしょ？」

「ハーレムですか？梨華さんと二人は嬉しいですよ」

話の流れ的に、女子複数人に対して隼人が男一人、という感じだったと思うが。この天然たらしが。

「お前と二人は嫌ー･･････」

このように、大体部活が始まる前に疲れることが多い。ツンデレですか？とからかってくる隼人をひと睨みしてから、部室に向かう。

「あっ！梨華さんこんにちは！」

喉元まで出ているため息を飲み込んで、挨拶をしてくれた『あいつ』に挨拶を返す。

「こんにちはー･･････」

『あいつ』というのは、烏野涼真のこと。隼人もそうだが、顔が整っていて理不尽だと分かっていながらも、腹が立ってしまう。

「なんでテンション･･････あっ、また一人ですか？」

うん、と短く返して、今度こそ部室に入ろうとする。しかし、入れなかった。鍵を司に預けたままだったのだ。