君が居ない世界〈fj〉 ページ3
※軍パロ※
パンッ────
すぐ近くで銃声が聞こえて立ち上がると、隣で彼女が倒れた。反射的に其方に顔を向けると、彼女は心臓がある位置から血を流していた。
「嘘、だろ･･････」
目の前の光景を信じたくなくて、情けない声が口をつく。目の前で色々な人が死んでいくのを見てきた俺は、彼女が即死だということがすぐに分かった。
俺らが軍に入ったのは3年ほど前の話。高校3年生の時の事だった。家に、「軍入り」とだけ書かれた手紙が届いたのだ。
昔は男だけが狩り出されていたようだが、今は男女平等の社会。当時付き合っていたAも、軍に入ることになった。
軍に、彼女との関係は知られていない。しかしなんの偶然か、今日はたまたま俺とAの2人で任務を遂行することになっていた。
久しぶりに会うことが出来た俺たちは、再会を喜び、手短に任務を終わらせた。時間はたっぷりあったので、2人で少し話すことにしたのだ。
「なぁ、起きてくれよ･･････さっきまで俺ら、
笑ってたじゃん」
Aの体温を感じたくて、彼女の手を自分の頬に押し付ける。既に彼女の手は冷たくなっていた。
涙が溢れるのを感じる。自分の涙が彼女の手を濡らす。
「起きてよ･･････『フジ』って、もっかい呼んで？ねぇ、A」
ここに来て、自分の無力さに気付いた。好きな人すら守れない。あんなに愛した彼女を、一瞬で失ってしまった。
自分の銃を、頭に銃口を向けて押し付ける。静かに目を閉じた。彼女を失った世界に、生きる意味など見出だせない。
「待っててよ、A」
心を決めたはずなのに、なかなか引き金を引けなかった。彼女の手を握り締めて、恐くないと自分に言い聞かせる。
きっと君は、こんなこと許してくれないだろうけど。そんなことを思いながら彼女との思い出が頭に浮かび上がってくる。
クレープやケーキを食べる度にクリームを頬に付けていた君。好き、と伝える度に顔を真っ赤にして俯く君。
「幸せ、だったのに」
悪いのは、戦争を始めたこの国だ。
俺の耳元で銃声が聞こえた。
〈君が居ない世界〉フジ
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ふらわぁ(プロフ) - エティシアさん» ありがとうございます！読んでくださるだけですごく嬉しいです。元はといえば話を思い付かない私が悪いので･･････更新は遅いですが、楽しみにして頂けると嬉しいです！！エティシアさんのコメントで頑張れます！ (2020年3月16日 11時) (
レス) id: bd0b8806a1 (このIDを非表示/違反報告)
エティシア(プロフ) - 1話で終われるようなリクエストが思いつかなかったので書けませんでしたが、いつも小説楽しみにしています。何もお手伝い出来ませんがこれからも頑張ってください！ (2020年3月15日 1時) (レス) id: 910526fed8 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - コメ返ありがとうございます！！楽しみにしています！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
Tiger Flower(プロフ) - ねむりねこさん» コメントありがとうございます！嬉しい、めっちゃ嬉しいです！！一応言っておきますが、ふらわぁとTigerFlowerは同一人物です笑これからも見ていただけたら嬉しいです！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: e40e961212 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - 初めてまして！どれもこれも素敵過ぎますっ！応援してます！更新頑張って下さいね！！！！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふらわぁ x他1人 | 作成日時：2019年9月20日 22時
