花笑み Ⅱ (ページ1)

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39.愛おしい時間ページ1

Side:ab

…やっぱり慣れない。

こうなることはある程度想定していたけれど、
やっぱり。

最近はどの現場にいようとも、
いたれりつくせりで、

特に年下の3人はしつこいほど俺の体調をきにかけてくれている。

sk「それは佐久間さんの仕事だからいいの！」

今日も佐久間は、
俺の隣に陣取って、

隙あらば俺の横につこうとする年下たちを
手で追い払っていた。

sk「阿部ちゃんの守り神は俺だからね！」

なんて、妙に通る声で言うから、
こちらまで恥ずかしくなる。

「神なの？」

sk「うん、God」

そう言って人懐っこい笑顔で俺を見る。
その屈託のない笑顔に、
俺も釣られて笑みがこぼれた。

病院で言われたとおり、
薬を強くして、

これも言われた通りしっかり副作用が出て、
体調にはまだ波がある。

今日は比較的調子が良い。

別に普通でいいのに、
メンバーは
部屋の一番いい場所の席を俺に譲ってくれている。

もう訪れないかもしれない、と思った日々は、
あっけなく戻ってきた。

メンバーの優しさと共に。