Apr.20 19:06 ページ8
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「オレが矢取りと
「う、すみません。お願いします、助けてください」
いつも通りペカペカの笑顔で
“下手な鉄砲かずうちゃ当たる”とはよく聞く言葉だ。
が、下手な弓が中るかと言れると背定はしずらい。
的を狙う時の数ミリ。矢を番えた時の位置。足踏みの広さ。果ては呼吸のタイミングまで。
そういう些細な変化ひとつで、矢は簡単に的を外れる。28メートルは、近いようで、とても遠いのだ。
適当な百射より丁寧な一射。耳にタコができるほど言れ続けている言葉だ。
何事においても、やりすぎは良くないよって話。
お小言をもらいたくないので、急いで弓と弽を仕舞い、袴から制服に着替える。モップがけシャトルランをしてるうちにガクさんが矢を取ってきてくれたので、ありがたく矢筒に入れる。
戸締まりをして、お店でひと息ついて間もなく、叔母様が帰って来た。なんとかタイムアタックはクリアできた。
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↓ゆるゆる用語説明 part.2↓
*矢取り……読んで字のまま矢を取ること。
*安土……垜 とも書く。的を掛ける場所のこと。土じゃないところもあるけど作者の知ってる弓道場はだいたい土でした。
*看的……的の脇にある○×。
*足踏み……弓を引く時の足を広げる動作。
*28メートル……射位(弓を引く位置)と的の距離。
*矢筒……矢を仕舞っておく入れ物。個人用だと6本くらい入れるのがベスト。頑張れば12本入る。
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森。(プロフ) - 用語解説あるのすごく助かります!お話の雰囲気とテンポ感が好きです!次の話も楽しみです! (2023年3月12日 8時) (レス) @page9 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花束 | 作成日時:2023年1月19日 21時