Apr.20 10:00 ページ4
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「なあ、剣持」
「……なに?」
「彼女ほしいと思わん?」
新学期が始まり2週間弱。新しいクラスにも慣れてきた頃。
じゃ、後は自習で。と大して多くもない課題を残して帰った教師をこれ幸いと、教室はだらけモードだ。
前の席は去年から同じクラスの顔見知りで、駄弁る空気になるのも自然だった。僕は課題のプリントを終わらせたいので無視するが。
あ、おい。人が真面目にこなしてるのに落書きをするな。
「……馬鹿やってないで課題終わらせろ。あと男子校で彼女ができるわけねーだろ」
「終わったからお前にちょっかい出してんの」
「クソ迷惑」
最後の問題、こっちの公式使った方が計算ラクだぞ。と助言をくれながらもプリントの端に謎の生物を量産していく。
え、これは有り難がればいいの? 迷惑に思えばいいの?
「あ、そうだ。剣道部って土曜日部活ある? 何時から?」
「午後からあるけど」
「あるのかー」
そりゃあ、あるだろ。新入部員も入ってきて、何よりインハイ地方予選までひと月もない。
解き終えたプリントの端に並ぶ謎の生物を消しながら、新しくノートにゆるい絵を描き出した友人の旋毛を眺める。右巻きか。
「お前だって、運動部なんだから明日も部活あるだろ」
「弓道部は文化的運動部なのでゴリゴリの運動部と一緒にすんな〜」
「じゃあ、休みなの?」
「練習試合」
ゴリゴリに予定組んでんじゃねえか。思わず吹き出せば、どこか得意そうな顔が返ってきた。
それから流れるようにチロルチョコが数個、今しがた落書きを消し終えたプリントに並ぶ。
え、何。怖。
「剣持に頼みがあるんだけど」
「だが断る」
「せめて内容聞いてから断ってくんない?」
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森。(プロフ) - 用語解説あるのすごく助かります!お話の雰囲気とテンポ感が好きです!次の話も楽しみです! (2023年3月12日 8時) (レス) @page9 id: 21990a494b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花束 | 作成日時:2023年1月19日 21時