«LK»至る冬 ページ11
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10月末
肌寒い日が増え、そろそろ季節も冬に向けて着々と冷気を纏い始めた秋中という頃。
『…なんか今日甘えたさんだね?』
「そんなことない」
『いつもそんなにくっついて来ないじゃん』
「寒いんだもん、仕方ないじゃん」
『ほんと猫ちゃんみたいだね』
「にゃー」
『ねぇでも私動けないんだけど』
「動かなくていーよ」
『…………トイレ行きたい』
「………」
『リノ』
「………(ギュッ」
『くるしっ……ねぇ、トイレ!』
「はぁ、なんでそんなにワガママなの?俺がこんなに抱きしめてあげてるのになんでトイレを優先するわけ?寒さで震える猫をAは放置する酷い人なの?」
『まだそんなに寒くないでしょ、それにどうせ漏らしたら激怒するくせに』
「それはそう」
ぶつくさ言いながらもソファに座る私にコアラのように引っ付いていたリノがやっと離れてくれる。
唇を尖らせながらソファの下で縮こまり、「なんで今日急にこんな寒いわけ…」と膝を抱く姿を見て母性本能とやらがくすぐられた感覚がした。
そんなに寒いかな?とも思いつつ素早くトイレに行き、まぁ寒がりのリノからしたら急に冷え込んだらキツいかと単純な答えを導き出した。
『そろそろ衣替えとかしなきゃね、ずっと夏仕様のままだと近々リノ寒くて凍えちゃう』
「んーでもめんどくさいなー」
『ねー』
そんな会話をしながらソファに座り直すとまたのそのそと上がってきて私の横にピタッとくっついてくるリノ。
「はぁぁあ、Aあったかーい」
『体温高いからねぇ』
「人間湯たんぽー」
『好きなだけあったまりなぁ』
ぎゅうっと音が鳴るほど抱きしめられたあと、不意にリノが私のトレーナーの中に手を入れてきた。
『ひゃっ!つめた!』
「ふふ」
『ちょ…』
冷え性のリノの冷たい手が脇腹や背中を優しく這うから自然と身を捩ってしまう。
抵抗するように服の中に入れられた腕を掴み、もう片方の手でリノの鍛えられた胸板を押していると「えいっ」と少しニヤけながら押していた腕を逆に掴まれそのままソファに押し倒される。
「A、さっきより体温高くなってない?」
『…誰のせいよ』
「えー?笑」
『その顔ムカつく!』
「照れてる、かわいー笑」
そう言いながら軽くキスをし、覆い被さるようにぎゅっと抱きしめられた。
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七彩 - こんにちは!お久しぶりです!リクエスト失礼します!チャニのお話で、全てチャニの言いなりになってしまう彼女のお話を作って欲しいです!お願いします! (12月10日 13時) (レス) id: 5d577b99f0 (このIDを非表示/違反報告)
YuuKnow(プロフ) - 七彩さん» コメント、リクエストありがとうございます🥰いい構造ですね楽しそう!🫣考えてみます!待っててください〜!🤍 (10月13日 20時) (レス) id: b48ba42977 (このIDを非表示/違反報告)
七彩 - こんにちは!お話よく見させてもらってます!リクエスト失礼します!ハンジソンのお話で不良くんと学級委員ちゃんのお話を作って欲しいです!内容は、不良くんが校舎裏でタバコを吸ってたらたまたま見かけた学級委員ちゃんに一目惚れするって言うお話でお願いします! (10月13日 20時) (レス) id: 5d577b99f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YuuKnow | 作成日時:2023年10月13日 1時