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Aと出会ってから初めての登校日
朝起きて携帯を見るとAから“おはようオッパ”とだけ届いていて。それに対して俺も“おはよう”と返すと急に鳴る着信音
「…A?おはよう、どうした?」
『あ…オッパ、おはよう。ごめんね朝から』
「大丈夫だよ。なんかあった?」
『あの…オッパ、その、一緒に学校…行きたいなって…』
「え?……まじで?いいの?」
『ごめん…なんかすぐにでもオッパに会いたく、なっちゃって…』
「いいよ、行こ。待ってて迎えに行くから」
『えっ、でもそれじゃ遠回り』
「気にしなくていいから。俺がそうしたい。ちゃんと待っててね、準備してくる」
これは夢だろうか。自分の頬をちょっと強めに叩いてみるがしっかり痛みを感じた
…Aが俺と一緒に学校行きたいって
………Aが、俺と一緒に、学校行きたいって…!!!
そこからの俺の行動力といったら凄かった
いつもはダラダラ食べる朝ごはんも一気にかき込み、普段はノーセットの髪の毛も少しセットしてみたりして
幸運なことにAの家と俺の家はそこまで遠くないから、迎えに行っても少し逆戻りするくらいで学校まではそう遠回りにはならない
行ってきまーす、といつもよりしっかりと身支度を済ませて早目に家を出る俺を見て母親がニヤニヤしていたのが見えたが気にせず自転車に乗った
『…あっ、オッパ!』
俺の姿を見つけて家の前から手を振るA
制服姿を見るのだってもちろん初めてで、胸がトクンと鳴るのが分かった
「A!おはよ!」
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作者名:YuuKnow | 作成日時:2023年9月9日 8時