夢で彷徨う君 (ページ3)

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straykidsとしてデビューしてもう五年が経つ

たくさんの賞を取らせてもらって、たくさんの応援をいただいて

俺はやっと一人前のアイドルになれたと思う

IN「リノヒョン！今日収録早く終わったらみんな誘ってこの前言ってた映画見よ〜！」

俺よりも早く起きて既に準備を終わらせたイエナがソファでくつろぎながらそう言うので「おっけ〜」と軽く返事をし、洗面台に向かう

今日の予定は歌番組の収録が1本、その後事務所でTikTokを撮ったらそこからはフリーだ

以前イエナがホラー映画にハマっていると言ってからみんなで映画鑑賞をするのが日課になった

五年目にもなって俺たちは相変わらず仲が良すぎると思う

冷たい水で顔を洗って眠気を覚まし、歯磨きをしているとヨンボクが洗面所を覗いてきた

FL「ヒョン、大丈夫？」

辛そうな顔してるから、

心配そうに、言い辛そうにしながらも聞いてきてくれるから、少し申し訳なくなりニコッと笑いながら大丈夫だと伝える

FL「そっか、……無理はしないでね」

「…いつもありがとな」

ヨンボクは察しが良い

俺があの夢を見た日は毎回こうして声をかけてくれる

あまり表には出さないようにしているつもりが、どうやらあいつには分かってしまうらしい

そういえば、チャニヒョンにも何度か心配されたことがあるっけ

「……俺は一人前のアイドルなんだ、」

両頬をパシッと叩き気合いを入れる

でも、どうしても、

「いい加減、忘れさせてくれよ…」

俺はまだ思い出の中に閉じ込められている