夢で彷徨う君 (ページ17)

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俺がまだ高校生として学校に通っていた頃

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「お疲れ様でした！」

高校二年生の夏休み

いつも通りダンススクールに行き目一杯踊って汗をかいたあと、スクールを出ると既に夕日が沈みかけていた

今日は昼間から雲ひとつない晴天だった
今も空がオレンジ色に輝いている

ダンスもいつもより調子が良くて、先生にたくさん褒めてもらえたのも相まってかすごく気分が良い

自転車を漕ぎ、ダンスでかいた汗を乾かすかのように風を全身で感じる

普段ならすぐに家に帰って友達とゲームをするのだが、なんだか今日は少し寄り道をしたくなった

(ちょっと遠回りして帰ろっかな)

家から自転車で20分くらいの所に綺麗な川がある
あまり人も来なくて静かな場所、いわゆる穴場というやつだ

そこにたまに行くのが昔から好きだった

一人になりたい時、何も考えたくない時、今日みたいに天気が良くて気分が良い日

そんな時は必ずここに来てぼーっと空を見上げる

いつもの草原に自転車を停めて、来る途中に買ったアイスを手に河川敷まで下る

「……あれ、先客か、珍しいな」

目線の少し先に、同い年くらいの女の子が一人

あまり人が来ない場所と言っても、たまにカップルが座っていたり親子が散歩してたりはするが、俺と歳が近そうな女の子が一人でいるのは初めて見る

勝手に少し気まずさを感じながら、少し離れたところに腰を下ろして寝転んだ