episode.15 ページ16
｢結論は出なかったんだけど、ルシフェルなら知ってる？回収したコアの使い道｣
Aが単刀直入に尋ねると、分かりやすくルシフェルの顔が曇る。
｢……すまない、その事については私も把握していない。近頃は友と研究の話をする事も減ってしまった｣
近頃のルシフェルを知っているからこそAにはルシフェルの回答は当然のように頷けた。
それを踏まえると研究所に戻りベリアルに直接聞いてしまう方が効率が良さそうに思えたが、素直に答えるのは想像し難い。
あれこれと1人で思考を巡らせるAだったが、
ルシフェルが静かに口を開いた。
｢実のところその事については私も思慮を深めていたところだ。私自信が回収しているコアを友はどうしているのだろうか……と考える内に、近頃はどうしても良からぬ方へ進んでしまう。どうしても腑に落ちずに靄がかかっているように感じてしまうのだ｣
｢良からぬ方……？｣
Aは思わず復唱してしまった。
その顔には若干の不安の色が浮かんでいる。
こういう時のルシフェルの勘は、少なからず当たってしまうという事を経験則で知っているのだ。
いつも接している厳かながらに柔らかい雰囲気のルシフェルは影を潜め、たった1人、友と呼ぶ者を憂いている。
｢今から私が話すのは考察の段階に過ぎないのだがA、聞いて貰えないだろうか。君にとって、あまり良い話では無いかもしれないが｣
ルシフェルはいつになく真剣な眼差しでAを射抜いていた。そんな真剣な様子にAは不安の色を更に濃くさせた。
｢まだ推測の段階、という前提で聞くわ。貴方の考えを聞くのは勿論だけど完全に鵜呑みにはしない｣
難しい顔のままほんの数秒の間を空けてAは意を決した。
｢それでいい。私の独り言程度と認識してくれて構わない。君は私に自分を頼れと言ってくれた。少しだけこの胸中を吐露する事を赦して欲しい｣
ルシフェルは目を伏せ憂いを帯びた表情のままAに向け初めて、秘めていた考察と胸中を打ち明けた。
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花房(プロフ) - かえでさん» ありがとうございます！続きを現在制作途中なので、コメント頂けてとても励みになりました！ (2020年1月28日 0時) (
レス) id: fdefab8ffa (このIDを非表示/違反報告)
かえで - 面白すぎて一気読みしてしまいました！ファーさん大好きなので嬉しいです！ゆっくりでいいので続き待ってます〜！ (2020年1月26日 16時) (レス) id: 07d90d10b2 (このIDを非表示/違反報告)
花房(プロフ) - うささん» 私も勝手ながらうささんにこの小説に巡り合って頂けたこと嬉しく思います！読んで下さり有難うございます！ (2019年7月6日 3時) (レス) id: 11b4cc7523 (このIDを非表示/違反報告)
うさ - ルシファー立ちが大好きなので巡り会えたのがとても嬉しいです！ (2019年6月30日 16時) (レス) id: ef6ea16959 (このIDを非表示/違反報告)
花房(プロフ) - 堕天司さん» ありがとうございます。時間はかかりますが完結目指て続けていこうと考えています。落ちに着いては私自身まだ熟考中ですので、ご意見の1つとしてご参考にさせて頂きますね！ (2019年6月22日 0時) (レス) id: fdefab8ffa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花房 | 作成日時：2019年4月18日 11時
