episode.13 ページ14
空に仇なす咎人よ 今ここに回帰の導を示そう
誰にも聞こえるはずのないAの声は、恐ろしい程に透き通り、まるで波紋のように空を揺蕩った。
天司長を彷彿とさせる真っ白な6枚羽を神々しく羽ばたかせたAは、先程まで数十の天司と対峙していた。
しかし、現在目の前には不自然に雲が掃けた蒼空が広がるばかりだ。
復楽園の名を冠したAの能力は、ルシフェルの使用する
数秒前までAと対峙していた天司達はこの能力によって全てコアへと還り、Aの“中”に存在している。これらは研究所へ戻りルシファーの手に渡る。
｢一度にこんな沢山のコアがあれば別の用途に使用するとしても十分過ぎるくらいね｣
正直使い道は天司の再生で無くても良いのだ。全てはルシファー次第だが、元々天司という名の星晶獣の核であるコアは膨大なエネルギーの塊と言っても過言ではない。
研究所の機器を動かす動力、高度な魔術を使用する際の魔力補助など形を変えれば幾らでも使い道はある。
｢そういえば……ルシファーってルシフェルが回収してるコア、何に使ってるんだろ｣
ベリアルが副官に就いたこともあり、従来よりルシファーの研究所に付きっきりということも無くなった。
ベリアルは優秀過ぎるぐらいにルシファーを補佐しているし、常に慌しく(本人は至って余裕そう)に動いている。以前とは研究内容が変わったことはAには明瞭に理解出来た。
｢んー……(コアを大量に使用する研究……か)｣
記憶の糸を手繰り寄せる。深く息をすれば自らに保管されているあらゆる記憶、記録を探ることに意識が集中する。
｢(俺が知識を求める様に、奴は力を求めている)(お前の役割は全てを記録することだ)(ファーさんの考える事は誰にも分からない、そうだろ？)(どうして空は蒼いのか、どうして人はその答えを求め続けるのだろう、A、君はどう思う？)｣
まるで空の底に落ちていくような感覚の中、必死に記憶を巡らせる。ルシファー、ルシフェル、ベリアルの発言、研究、行動、全てがぐるぐると脳内を駆け巡る。
｢(あと少し、何か掴めそうな……｢A｣
急に掴まれた肩に意識は急浮上し、まるで泡のように一瞬で全てを消し去った。
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花房(プロフ) - かえでさん» ありがとうございます！続きを現在制作途中なので、コメント頂けてとても励みになりました！ (2020年1月28日 0時) (
レス) id: fdefab8ffa (このIDを非表示/違反報告)
かえで - 面白すぎて一気読みしてしまいました！ファーさん大好きなので嬉しいです！ゆっくりでいいので続き待ってます〜！ (2020年1月26日 16時) (レス) id: 07d90d10b2 (このIDを非表示/違反報告)
花房(プロフ) - うささん» 私も勝手ながらうささんにこの小説に巡り合って頂けたこと嬉しく思います！読んで下さり有難うございます！ (2019年7月6日 3時) (レス) id: 11b4cc7523 (このIDを非表示/違反報告)
うさ - ルシファー立ちが大好きなので巡り会えたのがとても嬉しいです！ (2019年6月30日 16時) (レス) id: ef6ea16959 (このIDを非表示/違反報告)
花房(プロフ) - 堕天司さん» ありがとうございます。時間はかかりますが完結目指て続けていこうと考えています。落ちに着いては私自身まだ熟考中ですので、ご意見の1つとしてご参考にさせて頂きますね！ (2019年6月22日 0時) (レス) id: fdefab8ffa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花房 | 作成日時：2019年4月18日 11時
