episode.11 ページ12
彼の中ではまだ自らの決めてしまった事とはいえ、Aの参加を認められないでいる。
ベリアル同様Aの実力を認めているが、天司としてではなくAという一個体の存在が傷付くことが妙に恐ろしく感じていた。
ここ最近、この研究所に滞在する時間が削られている。
Aやサンダルフォン、四大天司など自分に近しい者が本来天司長の任であろう役目を臨時的に請け負っている。空の平穏を保つのは重要な役割ということは充分に承知しているが流石に何処か違和感を抱かざるを得なかった。
この違和感を突き止めるにもルシフェルには時間が不足していた。
そこでAの負担が増えることを承知でルシファーに進言してしまったのだ。ベリアルの口添えもあってそれは渋々了承はされた。
実質、自分と勝るとも劣らない戦力であるAの手を借りたとなれば、戦力は倍になったと言える。効率が劇的に良くなるのは火を見るより明らかだった。
ただ戦闘の勘というものはどうしても経験の差がでてしまう。経験の浅いAが傷を負うのはルシフェルにとっても耐え難い。自分が守るべき存在である事に変わりはないのだ。
ルシファーに進言した時には確固たるものであった決心は、A本人を前に簡単に揺らいでしまう。しかし今更後戻りは出来なかった。
妙な胸騒ぎがする。
早くこの原因を解明しなければ自分が求めている安寧から遠ざかってしまうような気がした。
煩雑に行き交う矛盾ともとれる思考をルシフェルは湯気の立つ熱い紅茶と共に奥底へと仕舞い込んだ。
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花房(プロフ) - かえでさん» ありがとうございます！続きを現在制作途中なので、コメント頂けてとても励みになりました！ (2020年1月28日 0時) (
レス) id: fdefab8ffa (このIDを非表示/違反報告)
かえで - 面白すぎて一気読みしてしまいました！ファーさん大好きなので嬉しいです！ゆっくりでいいので続き待ってます〜！ (2020年1月26日 16時) (レス) id: 07d90d10b2 (このIDを非表示/違反報告)
花房(プロフ) - うささん» 私も勝手ながらうささんにこの小説に巡り合って頂けたこと嬉しく思います！読んで下さり有難うございます！ (2019年7月6日 3時) (レス) id: 11b4cc7523 (このIDを非表示/違反報告)
うさ - ルシファー立ちが大好きなので巡り会えたのがとても嬉しいです！ (2019年6月30日 16時) (レス) id: ef6ea16959 (このIDを非表示/違反報告)
花房(プロフ) - 堕天司さん» ありがとうございます。時間はかかりますが完結目指て続けていこうと考えています。落ちに着いては私自身まだ熟考中ですので、ご意見の1つとしてご参考にさせて頂きますね！ (2019年6月22日 0時) (レス) id: fdefab8ffa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花房 | 作成日時：2019年4月18日 11時
