#3 和也と花1 ページ7
花side
今日は会ったときから､カズくんが違ってた…
あんまり私を見ないし､キスもちゃんとしてくれない。
私がカズくんの彼女になってまだ８ヶ月だけど､こういうカズくんを見るのは初めてじゃない…
コンサートとか､番組の収録とか…ファンの人たちと交流したあと､カズくんは時々こうなる。
そのたびに私は泣いて､なんでって聞く。
カズくんは答えてくれなくて､逆に､もっと黙り込む…
でも今日カズくんは､めそめそ泣く私に
・
『罪悪感ってわかる？』
って聞いてきた。
あっちを向いたまま
その声がすっごく冷たくて…
私は悲しくて悲しくて余計に泣いた。
カズくんは罪悪感を感じるって言うけど､それなら私は疎外感を感じる。
ファンの人とカズくんの間に私は絶対入れない。
カズくんが入れてくれない。
私を見てくれないカズくんなんて…
嵐のニノなんて…
大っ嫌い…
・
私は泣きながらそれを全部言った。
ホントはもっとひどい言葉で…
もっといっぱい言った。
カズくんは私が言い終わるまでずっと黙ってうつむいてた。
リビングの絨毯の上にあぐらをかいて､手の中の煙草の箱を見つめてた。
私が言い終わるとこっちを見て
『そんだけ？』
って。
優しくない目で見つめられて､体がすくむ。
静かな部屋に響く､自分の泣き声がうっとおしい…
・
しばらくすると､カズくんは何も言わずに出て行っ
た。
パタンとドアが閉まる
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作者名：花 | 作成日時：2020年1月7日 19時
