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ゆりside
一緒に食器を片付けて一緒にお風呂に入った。
お風呂の中で､潤くんはずっとお仕事の話をしていた。
熱が入ると止まらない…
濡れた髪がくちゃくちゃでかわいいなぁ…って見ていたら
『おまえ俺の話､ぜんぜん聞いてねーだろ』
って､のどをくすぐられた。
それから
『ゆりの好きな入浴剤買っといたけど､入れる？』
って。
淡い紫色のお湯はハーブの香り…
潤くんが私の腕をそっと引き寄せてキスをしてくれた。
それは､とても優しくて…
とろけるように親密なキスだった…
・
お風呂から出て､ソファーにもたれてフルーツトマトを食べた。
潤くんは自分でさっさとハイボールを作って飲む。
『ゆりもなんか飲めば？甘いの作ってやろっか？』
って聞いてくれるけど…私はいらないって言う…
お酒はもう…ずっといらない…
よく冷えた小さなトマトはまん丸じゃなくてちょっと細長い。
齧ると驚くほど水分が多くて､私は口の端から汁を垂らした…
『行儀が悪いな…ゆりは…』
潤くんはそう言って私の唇の横を舐めた。
暖かくて薄暗い部屋…
白いフロアライト…
カーテンを開け放った窓の外に小さく東京タワーが見える。
音を消したテレビの画面がチカチカ光る…
・
『ゆりちゃん…』
潤くんが酔った目で私を見つめる…
肩を抱き寄せて耳にキスをする…
お酒の匂いがして…
潤くんの匂いがする…
『……すきだよ…』
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作者名：花 | 作成日時：2020年1月7日 19時
