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ゆりside
また夢を見た。
あの日から毎日見る怖い夢。
私は夢の中で逃げていて…
逃げても無駄なのに…どうせ捕まるのに…
追いかけられて…怖くて…
助けて
誰か助けて
怖い
怖い…
・
無数の"顔のない人のかたち"が一斉に振り向いて不気味な声で喚く。
【ゆりちゃんを助けてくれる人は誰もいないよ】
【だってゆりちゃんは自分でそこへ行ったんだから】
【お酒が入った紅茶をおいしいって飲んだんだから】
【あれをしていいって彼が思うのは当然だったんだ】
【なのにゆりちゃんはいやって言った】
【だからほっぺを叩かれてもしょうがなかったんだよ】
・
わかってる
悪いのは私
彼は悪くない
全部私が悪い
ずっとずっと…潤くんのことを話せる人がいなかった…
だから彼と会ったことが嬉しくて…
でもまさかあんなことになるなんて
・
目の前に壁がたちふさがる
足音がすぐ後ろに迫る
助けて…誰か…助けて…
助けて…
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作者名：花 | 作成日時：2020年1月7日 19時
