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#13 潤 ｢ゆり｣ ページ35
潤side
成田に着いて､ゆりに即行電話した。
時差なんかまったく気にならなかった。
とにかく会いたかった。
なのにゆりは風邪をひいて熱があるから絶対に来ちゃだめって…
確かに…仕事のことを考えると会えなかった…
・
ゆりの風邪が治るまでの１週間はめちゃめちゃつらかった。
ゆりの顔やからだが頭に浮かんで夜全然寝れなくて…
中学生かっていうくらい悶々しっぱなしだった。
その分､会えた瞬間の嬉しさはもうハンパないって感じで…
正直俺は泣き出しそうだった。
もうずっと離れたくなかった。
きれいな目でじっと見つめられて…
なんか…異常に照れた…
・
よく見ると､ゆりの左の頬骨の上に小さな赤い斑点があった。
刷毛で刷いたみたいに､薄く細長い､斑点の群れ…
『ひっかいたの？』
って言って親指で撫でたら
ゆりは､小さい声で「うん」って…
病み上がりだから元気がない。
『まだ熱あるんじゃない？』
っておでこに手を当てたらやっぱちょっと熱い気がした。
弱ったゆりは…なんていうか…色っぽくて…
頭ではゆっくり寝かせてやりたいって思うんだけど…
体は､それこそ…心を欺くっつぅか…
抑えようと思ってもどうしてもだめで…
我慢できなくて…
いやそれでもだいぶ我慢したんだけど…
結局俺は弱ったゆりを抱いた。
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作者名：花 | 作成日時：2020年1月7日 19時
