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花side
カズくんは約束通り１１時に来てくれた。
お腹が痛かったけど､カズくんの顔を見たら元気がでた。
カズくんは私の頭をなでて
「いい子にしてた？」
って言って､ちっちゃいキスをしてくれた。
お腹の奥がキュ〜ンってなった。
今日は特にお腹の奥が敏感だからキュ〜ンが強くって…
思わず「んふん」みたいな声が出た。
『ちょ…今のなぁに？もっかいやって』
ってカズくんが笑って…
私はもう一回おんなじ声を出そうとがんばったけど笑っちゃって無理だった。
カズくんは
『そんなんじゃなくて､こんな感じだったじゃん』
って言って､ものすごくいやらしい声を出した。
おかしくてゲラゲラ笑ったら､カズくんもゲラゲラ笑って…
なにがそんなにおかしいのかわかんないまま２人で笑って…
最後はむぎゅうって抱き合った。
・
それからソファーのところでお酒を飲んだ。
カズくんが楽しそうにしゃべってるとき､私は話を聞いてるふりをして､こっそりカズくんの目を見つめた。
なんてきれいな目なんだろうって…
カズくんの瞳は酔うとますます明るい色になって…
真横から見ると､フロアライトの光を反射して､信じられないぐらい綺麗な茶色に光った。
でも､うっとり見惚れて油断してると､カズくんが私の視線に気づいて､急に黙って見つめかえしてくることがある…
まじめな顔で…じっと…
そうされると胸が苦しくなって顔が熱くなる。
あわてて目をそらしても…
ドキドキはなかなかおさまらない…
『ね…なんで目そらすの？』
「……別にそらしてない…」
『そらしてんじゃん』
「………」
『顔見せて…』
「………」
『…にこってして』
「………」
『そ。…かわいい…』
心臓が…
わーーってなって…
もっとどんどん､わーーーってなって…
私はカズくんになんか言って､キッチンに逃げ込んだ。
冷蔵庫を開けて…閉めて…開けて…
…いちごを発見した。
丁寧に洗って､時間をかけてヘタを取ってるうちに､やっと心臓が普通になった。
いちごは真っ赤で…思わず…どうしてこんなにかわいく生まれたの？って聞いちゃうぐらいかわいい。
私は､いちごちゃんたちをお気に入りの気泡ガラスのボウルに入れて､カズくんのところに持ってった。
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作者名：花 | 作成日時：2020年1月7日 19時
