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昔…私がまだ…「時々部屋に呼ばれる女の子の１人」だった頃…
翔ちゃんのわきを１時間舐め続けたことがあった。
翔ちゃんは途中で眠ってしまって…
でも…あれは寝たふりだったような気がしてて…
翔ちゃんに､あのとき寝たふりしたでしょ？って､聞いてみたいけど…
覚えてるはずないし…
翔ちゃんは､私が経済学部の…しかも幼稚舎から持ち上がり組の…後輩だってわかってから､私の顔と名前を覚えた。
・
本当に育ちの良い人っていうのは物凄く純粋で…
だからこそ残酷な一面を秘めていると私は思う。
幼稚舎からあの学校にいて､それをいやと言うほど見てきた。
あの人たちは絶対に下品ないじめなんかしない。
どんな人にも優しくおおらかに接する。
ものごとの良い面を見て､良いほうに解釈する。
親切で親しみ深く…差別なんか決してしない…
でも区別をする。
あっち側とこっち側…
一度区別がつくと､あっち側には興味を示さない。
無意識に…。それが残酷なところ。
それからもうひとつの特徴は､自分の欲にとても正直だということ。
本当に欲しいものは必ず手に入れる。
ただ､欲しいものなんてめったにない…そんな感じ。
・
翔ちゃんにとって私はこっち側の女の子だった。
そしてさほど欲しがりもせず私を手にいれた。
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作者名：花 | 作成日時：2020年1月7日 19時
