ガーディアン・オブ・ストーリー！《1》 (ページ9)

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相「なんだ…、その……、

悪かった…、無神経だったよ……、

ほんとうにさ…」

相「……好きで一緒に住んでるわけじゃないってのは、

お前だって、

監視対象ではあるが、女だ

まぁ…、俺は教師な訳だし、その辺の常識はわきまえているつもりだが、

いい歳した男女が同じ家に住むってのはどうなんだよっていう話だ

つまり、な……、

お前のことが嫌いなわけじゃないし、お前と一緒にいたくないわけでもない

だから…、

一緒に、帰ろう」

そう言いつつ、彼女を見たが未だに俯いたままで表情を伺うことができなかった

が、

(…まぁ、今はそれでもいい)

常識は抜けているところがあるし、

無駄に拒絶ばかりしてくるし、

謎すぎるウソもつくような不思議なやつだが…

(濡れなくて済むところを、わざわざ濡れるなんて合理性に欠けるにもほどがあるだろ)

なぜか…、

そう、なぜか、彼女のことは嫌いにはなれなかった

(むしろ…、こいつのそばにいたら優しい気持ちになる感覚さえ、した)

それが…、

彼女の生い立ちに関しての同情なのか、彼女の資質なのかはわからない

でもまぁ…、

どっちにしろ今は帰ることが最優先だ

彼女にむかって手を差し伸べたところでハッとした

そうだ……っ！

こいつ、触ろうとしたら拒絶してくる

(デジャブとか、ふざけんじゃねぇよ)

会った初日からされて、

それなりの衝撃を受けたはずなのに、また同じことを繰り返そうとしている自分に胃が痛くなった

慌てて、せめて無かったことのようにしようと手を引っ込めた

その…、

はず…、

だった……

……が、

―――引っ込めようとした手は、

彼女によって、指先だけだが、たしかに握られていた

『一緒に…、帰るんでしょ……？

自分から言っておいて…、差し出しておいて…、

勝手に引っ込めるだなんて、大人のやり口としては無責任すぎるんじゃありませんか』

強気な発言とは裏腹に声はおずおずとしており、

寒さではなく、緊張によって震えている彼女の指先にいじらしさを感じた

(捨てられた野良犬のようなこいつを、手懐けることができる日がくればいいんだがな)