秋桜 (ページ40)

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秋桜 -参拾仇- ページ40

健：｢臣ちゃん～、臣ちゃん着いたで？｣
臣：｢んー｣

意識の向こうから健二郎君の声が聞こえる

健：｢臣ちゃん｣
臣：｢…｣
健：｢全然起きないっすよ、直人さん笑｣
人：｢え～、まじ？臣！着いたよ！｣
臣：｢っ！｣

ふわふわとして気持ちがいい
よく知る健二郎君の声になんだか凄く安心して
掴みかけた意識をもう一度離そうとした時

直人さんの大きな声が聞こえて
意識を掴むよりも前に
目が開いた

人：｢起きた起きた笑｣
臣：｢びっ、くりしたあ｣
人：｢あははっ｣

何時もは絶対寝れない飛行機

でも

健：｢今日はよく寝とったなあ笑｣

今日は気づいたら寝ていたみたい

健二郎君の俺を呼ぶ声と
直人さんの大きな声で目が覚めた

臣：｢んー、｣

固まった体を伸ばそうとすると出てしまう声

人：｢んーじゃないよ笑さっさと降りる支度して｣

着陸してから起こされた俺は
この飛行機の中で唯1人、支度が終わっていなかった

臣：｢はーい｣

返事はしたものの、まだ寝ぼけた頭では
直人さんの声がゆっくりとぼやけて聞こえる

あまりにも動きの鈍い俺を見かねて
健二郎君が俺の荷物を纏めてくれた