秋桜 -参拾肆- ページ35
臣:「…」
隆:「なんかあった?」
臣:「…」
心配してくれる隆二の言葉に何も返せない俺
健:「なんや、話してみいや」
臣:「ほんとに…なんにもないんだけど」
別に特段何があったって訳じゃない
ただ、何となく、素直にあいつの事を大切な人だって言えないだけ
エリ:「なんかあるって顔してる」
己:「臣」
臣:「ほんとに!なんもねえって」
これ以上問い詰めないで欲しかった
まだ自分の中でさえ解決していない答えを急かされてる気がして苦しかった
己:「分かった、臣、臣がそう言うなら別に何も言わないよ。だけど、なんかあったら俺達にはちゃんといいな?」
臣:「…」
人:「臣、俺もお前の味方、だけど俺は、映月の味方でもある。もし映月に何かあったら、俺はお前を許さねえよ」
臣:「…だから。なんもないって」
優しい言葉と厳しい言葉
そんな言葉を掛けられれば掛けられるほど
抱いた罪悪感はでかくなっていく
敬浩さん達と飲みに行ったあの時から
何故か確実にでかくなった罪悪感
どんなに罪悪感を抱いたって
それでもやっぱり
“映月に雅を重ねてる”
そんなものに確信を持てる訳がなくて
認めたくない
認められるわけがない
これを認めたら、俺は本当に最低な人間だよ?
絶対違うって
何かの間違いのはずだって
結局誰に話を聞いてもらったって、誰に何言われたって
俺は自分のことしか考えられない最低な奴
あの日からなんの進歩もしていないんだ
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作者名:ベジタブルライフ | 作成日時:2018年8月19日 11時