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秋桜 -参- ページ4
返さなきゃ
声を出さなきゃ
そう思えば思うほど
俺の視界は黒いコスモスで埋まっていく
映：「臣くん…」
「パパ！あっちピンクだよ！」
名前を呼んた映月の声を遮って聞こえてきた
小さな子供の声で我に返った
臣：「っ！」
はっとして振り返ると
寂しそうに笑っている映月
臣：「っ…ごめん」
映：「んーん、大丈夫！臣くん大丈夫？」
臣：「うん…」
映：「なら良かった！ピンクのコスモス見に行こう！」
映月は何故か
落ちた気分を無理やり上げるように
作った笑顔を貼り付けて
テンションが高いように振る舞いながら
前を歩いて行く
俺の姿に驚いたから？
話し掛けてきた言葉を無視しちゃったから？
どうして映月のテンションが下がってしまったのかは分からないけど
それでも
大好きな人の前で
過去を思い出すなんて
最低だなって
大切な人に
無理させちゃってるなって
そんな自分が心底嫌になった
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作者名：ベジタブルライフ | 作成日時：2018年8月19日 11時
