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秋桜 -弐拾漆- ページ28

その声に
預けていた重い体をゆっくりと動かして敬浩さんを見ると


ああ、この人には話してよかったって
思わずそう思ってしまうほど、優しくて暖かい笑顔を向けてくれていた


強くて優しい、人を包み込める暖かさを持った笑顔


敬:「登坂?」
臣:「んー?」


その声になんでかなあ
さっきまで話したいって思いに負けていた睡魔が
急に勝り始めて

瞑りかけていた目に加えて
首がこくこくと船を漕ぎ出す


敬:「映月ちゃんに逢いたいと思う?」


そんな難しい質問に睡魔に襲われた俺の頭はパンク寸前で

ゆっくりとゆっくりと考えて
最後の力を振り絞って答えを出した




臣:「あいたくない」
敬:「…」






臣:「でも…」






臣:「…すげえあいたい」



“逢いたい”

素直に口に出した言葉を最後に
俺の睡魔は完璧俺を制覇した



遠くの方で敬浩さんが

“心配すんな”

そう言っていた気がした

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作者名:ベジタブルライフ | 作成日時:2018年8月19日 11時

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