依存症【THE HILLBILLY】 ページ10
「もう、ひとりにしないで」
______焚き火から離れようとするAの手首を掴んで離さないヒルビリーを見て、Aは大きな瞳を丸くした。
突如出てしまった本音に、ヒルビリーは困惑する。
「ごめん。僕、何言ってんだろ」
歪んでいる顔が、益々歪む。
Aはしばらく立ち止まる。
『………いいや！ 今日は儀式行かない』
「えっ、いいの？ エンティティ様に怒られない？」
『うん。平気』
Aはヒルビリーの隣に座り、焚き火で体を温めはじめる。
ヒルビリーは横にいるAをじっと見つめる。
綺麗なブラウンの髪の毛、ブラウンの大きな瞳。
「………Aは、綺麗だね」
ぽつりと呟いた彼の言葉に、Aは『えっ！？』と声を上げる。
「綺麗だよ。もしかして、Aは誰かに綺麗って言われたことがないの？」
『………ある、けど……お世辞だと思ってるつもり』
ヒルビリーは大きなため息をついて、話す。
誰にも言えなかった、心の中で溜めてきたその感情たちを。
「………Aは、やっぱりカッコいい人が好きなんでしょ？」
『うん、そうだよ。女の子はやっぱりカッコよくて優しいひとが好きなのよ』
「そっかぁ……」
ヒルビリーはそっぽを向いてなにやら考えはじめる。
Aは、ヒルビリーの傷だらけの大きな手を自分の指に絡める。
肩を少し動かすヒルビリーを見て、Aは微笑む。
『ビリー。もしかして、"自分は醜い"って思っちゃったりしてる？』
「……だって、生まれた時から名前もつけてくれないくらい醜いんだよ。…………それに、僕は、親も殺したし動物も殺した……」
涙目になるヒルビリーを見て、Aは唇を噛む。
「ぁあ、A、A。お願い、僕を、僕を捨てないで。もう、ひとりはイヤだ。孤独は嫌なんだ。嫌いだ、エンティティも、サバイバーも。僕には、僕は君しかいないんだよ」
泣いてすがるヒルビリー。
Aはさっきよりも口角を上げて、ヒルビリーを優しく抱きしめる。
『そうよ、ヒルビリー……貴方には、私だけ。エンティティも、仲間達も、生存者も、全部呪えばいい。呪いの代償は"みんなから離れていくこと"……だけど、手に入れたものは"私と依存する運命"』
「うん。うん、A、好きだよ、僕は君しか触れてはいけないんだ」
Aが空を見上げれば、不機嫌な写真が腹を鳴らしていた。
［依存症］ED
ヤンデレ夢主とヒルビリーくんのおはなし。
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金魚きんぎょ(プロフ) - この作品好きです！リクエストなんですけれど、トリックスターとのお話いいでしょうか？ (2021年9月5日 14時) (
レス) id: fd80c7906a (このIDを非表示/違反報告)
金子氏(プロフ) - エニグマさん» こちらこそありがとうございました！細かいところに気を遣ったところもしっかり分かってくださって嬉しいです！ (2021年5月6日 7時) (レス) id: 5f47d57489 (このIDを非表示/違反報告)
金子氏(プロフ) - Nightさん» リクエストありがとうございます。リクエスト了解です！時間がかかるかもしれませんが、お待ち頂けると嬉しいです…！ (2021年5月6日 7時) (レス) id: 5f47d57489 (このIDを非表示/違反報告)
Night(プロフ) - えっと、追加で、、前回と同じ夢主でも大丈夫でしょうか？ (2021年5月6日 1時) (レス) id: f0b6c8446e (このIDを非表示/違反報告)
Night(プロフ) - 夜分にすいません。リクエストで、デススリと飲み比べしてるお話良いでしょうか？夢主はサバでお願いします！ (2021年5月6日 1時) (レス) id: f0b6c8446e (このIDを非表示/違反報告)
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