血筋【THE SPIRIT ＆ THE ONI】 ページ27
(夢主なしです！)
凛は父に殺された。
鋭い刀が、柔らかだった肌にささる、きる。
「全ては、無意味なのだ。"娘"よ」
父の最後の言葉が響く。
父を殺すために、人を捨てる。なにもかも。
青白い肌にはガラスが突き刺さったまま。腕はきれ、足は曲げ、黒い髪の毛は逆立っている。邪神様もなんて悪趣味なのだろう。
そんな彼女は、同じ山岡の血を継ぐ者「山岡 華山」が大の苦手で嫌いだった。
正反対の理由で、人を殺す。
父を尊敬し、侍を貶す者には罰を与える先祖。
父を嫌い、母さえも無惨に殺害された哀しみの子。
傷は癒えることはない。
何故なら二人とも殺人鬼なのだから。
「華山さん。もうすぐ儀式ですよ」
凛はエンティティの頼みで、刀の手入れをしている華山のもとへ行く。背中に担がれた大きな棍棒は、凛の肌をさらに悪くさせる。
「……あのぅ、華山さん……も、もうすぐ儀式なのですけれど…………」
凛の声が細くなる。華山は刀の手入れをやめると、凛のもとへと歩いて行く。凛は自分よりも遥かに大きな華山を見、華山は自分より遥かに小さい女を見る。
凛は白い目に涙を半分ため、「あ、あの……」と声をかける。
すると華山は、鎧の胸のなかからなにやら小さなお守りを出した。山岡家の紋章が表に。裏には、松の木が刺繍されている。
「おまもり……」
「それを所持して儀式とやらに行けば、たちまちあたりには誰もおらん。皆、儂を恐れて逃げるのじゃ。大したものよ」
華山は凛の小さな手にそれを乗せる。
「こんな大事なもの、私なんかが持っていて大丈夫なのでしょうか……」
「何を言うとる。貴様も、儂と同じ山岡の者。お前と儂にしかない、おまもりなのじゃ」
そう言うと、華山は霧と共に消えていった。
「…………山岡の、おまもり………」
手に置かれた小さなおまもりには、まだ血はついていない。凛はそれを握り、たちまち霧と共に消えていった。
［血筋］ ED
リクエストありがとうございました。
こんな感じでよろしいでしょうか…(苦笑)ほのぼのにはしました。アドオンを使って。
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金魚きんぎょ(プロフ) - この作品好きです！リクエストなんですけれど、トリックスターとのお話いいでしょうか？ (2021年9月5日 14時) (
レス) id: fd80c7906a (このIDを非表示/違反報告)
金子氏(プロフ) - エニグマさん» こちらこそありがとうございました！細かいところに気を遣ったところもしっかり分かってくださって嬉しいです！ (2021年5月6日 7時) (レス) id: 5f47d57489 (このIDを非表示/違反報告)
金子氏(プロフ) - Nightさん» リクエストありがとうございます。リクエスト了解です！時間がかかるかもしれませんが、お待ち頂けると嬉しいです…！ (2021年5月6日 7時) (レス) id: 5f47d57489 (このIDを非表示/違反報告)
Night(プロフ) - えっと、追加で、、前回と同じ夢主でも大丈夫でしょうか？ (2021年5月6日 1時) (レス) id: f0b6c8446e (このIDを非表示/違反報告)
Night(プロフ) - 夜分にすいません。リクエストで、デススリと飲み比べしてるお話良いでしょうか？夢主はサバでお願いします！ (2021年5月6日 1時) (レス) id: f0b6c8446e (このIDを非表示/違反報告)
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