乾く忠誠心【THE ENTHITHI】 ページ18
今日も凶器を生贄に振るう。あぁ、これで何度目だろうか。
Aは「助けて」と命乞いさえもしなくなった生存者たちを見て、恐怖した。せめて「助けて」と言ってくれれば、私もこんなところまで乾かなかった。
血と忠誠心の共にこの世界で生きていくことはなかったのだ。
……今日は不調だ。何故か全員フックに吊るせた。
良い調子の時に限って、感情は制御できない。悲しみや怒りが現れる。
しかし、それを、あのクソッタレ写真が邪魔をする。いつもそうだ。
「A、エンティティ様がお呼びよ。今日の儀式についてのことらしいけれど……」
ナースがAの顔色を伺う。
明らかに不調。顔は青ざめている。
「この世界で生きていくには、エンティティ様に全てを捧げるしかないわ。貴方はあのお方の"お気に入り"よ。利口なんだから、私の言いたいことが分かるはず。そうでしょう？」
『……はい』
Aはエンティティのところへ向かう。
歯を鳴らし、目は泳ぎ、手の爪は少し青色に変色している。あまりうまく歩けない。心臓の鼓動がとても早い。それはいつも迎える儀式の時と変わらない。
黒い亜空間のような部屋に入れば、そこにいたのは血だらけの黒いなにか。邪神そのもの。
「A。よく来たね」
『……はい………』
Aはエンティティと目を合わせないように目を右下に向ける。
「………そんなに僕が怖い？」
『……いえ。私達の神であり、私の人生を救ってくれた救世主様でございます』
こんな嘘をぺらぺらと憚るのだろう。Aは皮肉に思いながらも、微笑みを浮かべた。
「僕、Aは傷つけたくないんだ」
エンティティはAの頭を撫でる。
『ありがとうございます。精一杯、これからも貴方様の欲を満たせる者のひとりとして』
「A」
Aは口を閉じて、エンティティを見つめる。
「僕はまだ満たせていない。腹が減って仕方がなかった。だから僕は堕落した君を殺人鬼にしたのに。それだけじゃなぜか満足できない。神様なのに。邪神なのに」
Aは邪神を見る。
「僕は初めて愛情を知った。Aを初めて愛せた。人を愛せたんだ。誰かを傷つけたくないって初めて思えたんだ」
Aの心臓にエンティティは体を置く。
「A。僕を愛しておくれ」
［乾く忠誠心］ED
エニグマさん。リクエストありがとうございました。
エンティティ様のリクエスト最近増えてて嬉しいです笑
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金魚きんぎょ(プロフ) - この作品好きです！リクエストなんですけれど、トリックスターとのお話いいでしょうか？ (2021年9月5日 14時) (
レス) id: fd80c7906a (このIDを非表示/違反報告)
金子氏(プロフ) - エニグマさん» こちらこそありがとうございました！細かいところに気を遣ったところもしっかり分かってくださって嬉しいです！ (2021年5月6日 7時) (レス) id: 5f47d57489 (このIDを非表示/違反報告)
金子氏(プロフ) - Nightさん» リクエストありがとうございます。リクエスト了解です！時間がかかるかもしれませんが、お待ち頂けると嬉しいです…！ (2021年5月6日 7時) (レス) id: 5f47d57489 (このIDを非表示/違反報告)
Night(プロフ) - えっと、追加で、、前回と同じ夢主でも大丈夫でしょうか？ (2021年5月6日 1時) (レス) id: f0b6c8446e (このIDを非表示/違反報告)
Night(プロフ) - 夜分にすいません。リクエストで、デススリと飲み比べしてるお話良いでしょうか？夢主はサバでお願いします！ (2021年5月6日 1時) (レス) id: f0b6c8446e (このIDを非表示/違反報告)
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