あの夏の花火 (ページ5)

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５好きな人ページ5

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「すごくね、かっこいいの」

ミオは、大きな目をキラキラさせて言う。

「頭も良くてね、かっこいいの」

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かっこいい、二回言ったし。

突っ込みたかったけど、やめとくことにする。

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「Aは、好きな人、いないの？」

「好きな人？」

「うん」

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太陽みたいに明るい、あの笑顔が浮かんだ。

顔をクシャクシャにして笑う、あの笑顔。

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「いるんだ！」

ミオが嬉しそうに笑う。

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なんて可愛いく笑うんだろう。

こんな風に生まれたかったな。

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「誰？」

「まだ、好きっていうか」

「うん」

「ちょっといいな、って感じ」

「うんうん」

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ミオは、ワクワクって絵に描いたような顔をする。

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…言わなきゃいけない雰囲気だよね。

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「…隣のクラスの、…相葉雅紀クン」

私が言うと、ミオは目を丸くした。

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「雅紀クンって、カズくんの友達だよ！一緒に行ってあげる！」

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「ムリムリムリ！！」

やめてやめて！

まだ、話したことなんてないの！

雅紀クンは、私のことなんて知らないから！

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ミオは、私の声を無視して、私を引きずるように隣のクラスへと向かって行った。