あの夏の花火 (ページ28)

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28 花火ページ28

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私達がグランドに戻ると、ミオと雅紀クンがコンビニの袋を手に待っていた。

「ちょっとー。どこ行ってたのー？」

「ゴメンゴメン！」

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私は手のひらに結ばれたハンカチと、下駄を前に出して、ミオに見せる。

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「落ちてた線香花火で遊んでたら火傷して、冷やして戻ろうとしたら鼻緒が切れちゃった」

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ミオと雅紀クンが、プッと吹き出す。

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「あ。笑った。痛いのに」

「ゴメンゴメン！あまりに天然過ぎて、ウケた。笑」

「そこ、笑うところじゃないからね！大丈夫？って優しく言うところだからね！」

「だいじょうぶ？」

「もういい！！」

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みんなが、笑う。

楽しい。大好き。みんな好き。

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もうすぐ、終わる。

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「さ、花火しよっかー！！」

「うん、しよしよ！！」

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涙で滲む火花。

煙いね、って笑えばいい。

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なんて、なんて、綺麗なんだろう。

ずっと、こうやっていられたらいいのに。

ずっと、四人でいられたらいいのに。

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もうすぐ終わる、この時間が、永遠に続けばいいいのに。

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キャアキャア言いながら、全部の花火を使い終わり、後始末をする。

壊れたバケツに水を組んで浸した花火を、コンビニの袋に入れて持って帰ろうとしていたら。

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我慢していた涙が、頬っぺたに流れた。