第十一話 ページ13
今でも鮮明に覚えている。あの時のみんなの荒れぐあいはすごかった。静かに怒っているやつ。こちらに拳をあげてくるやつ。僕が何を言っても「愛莉はそんなことしない」の一点張りで愛莉のことをずっと庇ってたやつ。僕に向かって「無能」なんて言ってくるやつ。「信じていたのに…」そう言って今にでも泣きそうなやつもおったかな。あのときのシャオちゃんも僕のことは信じてはいなかったらしい。こちらを見てポカンと口を開けて突っ立っていた。僕がシャオちゃんの名前を呼ぶと「もうそんな軽々しく俺の名前なんて呼ぶなや」そう言って僕を突き放した。そう吐き捨てたときのシャオちゃんの目は裏切られた子犬の目をしていた。悲しそうにこちらを見ながら、でも僕を助けたりはしない。昔みたいに僕の手をとって笑顔で「大丈夫やで、何があっても俺が助けたるからな！」なんて言ってはくれない…今になって初めて感情が薄れていてよかったと思った。「笑顔」も「泣き顔」も「怒り顔」も感情はほとんどなくなっており、「無能」と言われても特に何も感じなかった。ただ、シャオちゃんがこちらを向いて悲しそうな顔をしていたのは結構辛かった。何故かシャオちゃんを裏切ってしまった、何もしていないのに悲しい顔をさせてしまった…そう思うと今更ながら涙が出てきそうになる。それでも、僕の答えは1つ…僕は…
『僕は…
『「何もしてない」…！？』
？？「やろ？」
ふと、誰かと声が重なり驚いて後ろを見ると、そう言ってこちらを見ながら首を傾げているロボロがいた。
rb「そんな驚かんでもあんさんが言いたいことならわかるで？いや、あんさんじゃなくて"無能"やったっけ」
『ロボロさん、どうされたんですか』
rb「…いや、あんさんじゃなくてひとらんに話があってきたんや」
そう言って、ひとらんに近づく。
rb「＿＿＿＿＿」
すると、僕には聞かれないようにかひとらんに顔を近づけ何かを耳打ちする。ロボロが何かを言い終わったのか次はひとらんが口を開く。
ht「…別に。本当のこと聞きたくて聞いただけ。あの子を信用しようなんて思ってないから。ただ、動物に懐かれてるのが気になっただけだよ」
僕にも聞こえるような声量でひとらんがそんなことを言ったので嫌でもロボロがひとらんに耳打ちした内容を察してしまう...まぁ、察してしまったのはしょうがない。気にしないでおこう。
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ましかに - とても面白い小説ですね！！！続き楽しみに待ってます！！無理せず更新頑張ってください！！ (2022年7月17日 11時) (
レス) @page18 id: b45f3d1284 (このIDを非表示/違反報告)
みたぞの(プロフ) - オリ/ジナルフラグ立ってますよ！！ルール違反なので外して下さいね！！作品を作られるのはご自由ですがルールは確認された方がいいですよ！！ (2022年6月29日 22時) (レス) id: 5dcad8042f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきねこ | 作成日時：2022年6月4日 23時
