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「……久しいな。……芥川の迎えか?」
「はい。……ご迷惑をおかけしました。」
ぎこちない会話。しばらく顔を合わせていないのだから、当たり前だろう。
でも、きっとぎこちなかった理由はそれだけじゃない。
それもそうだ。告白してきた相手に、自分が好きな人と居合わせているのを見られたんだぞ?
……いや。変に緊張して、ぎこちなくしたのは、俺の方か。
この際だからと、この前のことを引き合いにだそうとした。
でも、Aさんは申し訳なさそうに笑って。家で揉めたからと、俺をやんわり断った。
すっと、肩の力が抜けていく。多分、この時点で、俺はAさんの答えがどんなものか、わかっていた。
Aさんはそのまま、真田さんに呼ばれて電車に乗り込んでいった。
去っていく黄色いその背から、何故かどうしても目が離せなくて。扉が閉じた後も、俺の目はその背を追っていた。
俺が最後に見たのは。緑の背と並んで座って、心細そうに縮こまっていた、あの人の背中だった。
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幻想曲(プロフ) - 柏餅さん» ありがとうございます!桜、朱に咲くから閲覧ありがとうございました! (2016年2月27日 22時) (レス) id: 1deaa07922 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅 - お疲れさまでした!!おもしろかったです(*´∀`) (2016年2月27日 16時) (レス) id: c42c8704be (このIDを非表示/違反報告)
幻想曲(プロフ) - 柏餅さん» 返信遅くなってすみません!ありがとうございます、頑張ります! (2015年12月29日 7時) (レス) id: 1deaa07922 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅 - 番外編頑張ってくださいね♪ (2015年12月28日 9時) (レス) id: c42c8704be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幻想曲 | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru
作成日時:2015年12月27日 21時