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以来、俺が面白半分でしつこく聞いていると、Aさんは照れくさそうに自分の恋話をしてくれた。
立海へ行ったのは、真田さんを追いかけるため。その時にはもう、真田さんのことが好きだったらしい。
俺の見ていないところで、Aさんはひとりでに好きな人を作っていた、
今までの想いは、全部、俺の自惚れ?
話を聞いていく度、俺の肩からはすっと力が抜けていった。
不思議と、涙は出なかった。
諦めるなんて、まだ、早すぎる。……そう、思っていたからかもしれない。
自分も成長すれば、いつかAさんが振り向いてくれるかもしれない。
真田さんなんかよりずっと立派になれば、俺を見てくれるかもしれない。
99パーセントありえなくったって、残りの1パーセントに俺は、本当に、必死で、縋って。
ただ、奇跡を信じて努力を続けた。
そうして、月日は流れ。関東大会。
俺は準レギュラーとして、会場に入り試合を見ていた。
試合運びはどうも難航していて。やがて、試合はS1にまでもつれ込んだ。
その時。
「若。」
不意に、肩に置かれた手。聞きなれた声に、振り向くと。
「……Aさん!?」
試合に来るなんてこれっぽちも思っていなかった、俺の好きな人。
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幻想曲(プロフ) - 柏餅さん» ありがとうございます!桜、朱に咲くから閲覧ありがとうございました! (2016年2月27日 22時) (レス) id: 1deaa07922 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅 - お疲れさまでした!!おもしろかったです(*´∀`) (2016年2月27日 16時) (レス) id: c42c8704be (このIDを非表示/違反報告)
幻想曲(プロフ) - 柏餅さん» 返信遅くなってすみません!ありがとうございます、頑張ります! (2015年12月29日 7時) (レス) id: 1deaa07922 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅 - 番外編頑張ってくださいね♪ (2015年12月28日 9時) (レス) id: c42c8704be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幻想曲 | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru
作成日時:2015年12月27日 21時