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TH「口も弱いよね、」
水に濡れる髪のせいで余計に雰囲気が出て、
いつもよりずっと色っぽい。
そうなったら止められないのは俺のせいじゃないでしょう？きみが悪いんだ。
まだ始まってもないのに、ゾクゾクと背筋に悪寒が走ってフィルターが外れた。
軽い彼女の体を抱き抱えて水浸しになる床なんてどうでも良かった。
キスをしながらシーツの波の上に彼女を押し倒した。
『テヒョン君、』
TH「ん、」
『…で、電気を、』
TH「ああ。…でも先に堪能してからね？」
色んなきみが早く見たいんだ。
その前に、まずは俺のって印を付けてから楽しもう。
首筋を伝いになぞれば、萎縮する体。
その振動がたまらなく愛おしかった。
TH「ちょっと痛いかもだけど、我慢して。」
『…っ、!!』
俺の。
彼女は誰が何と言おうと俺の女だ。
そう言い聞かせながら鎖骨の辺りを噛んだ。
口を離して印を見た。なかなかの出来栄えだった。
きみは俺のだよ。
紅い華に触れるだけの口付けを落とした。
はずなのに。
『テヒョン君？』
TH「……、いや、」
『…大丈夫ですか？』
華奢な体を抱きしめた。力強く、身動きが取れないほどに。
そのいつもの彼女の香りが無性に安心させるおかげで、少しはマシになった。
『テヒョン君…？』
TH「…寝る。
ごめん、そういう気分じゃなくなった。」
くそ。どうして。
あの人はこうも、俺を苦しめる？
結局またしても俺は、きみに手を出せなかった。
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作者名：鯢
| 作者ホームページ：https://twitter.com/3_sho_u0
作成日時：2021年11月1日 14時
