きみの弱いところ。【完】 (ページ2)

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"『好きですっ。』"

告白をされるのは、何も珍しいことじゃない。
そこそこな容姿が世間一般では所謂イケメンの部類に相当するらしい。

俺のタイプじゃない、地味な子。

俺がこんなタイプと付き合わないのは知ってるでしょ？

いつもならそう返すところだけど、今日は違った。
派手な香水の匂いとメイクにもそろそろ飽きた頃だったんだ。

"TH「いーよ、付き合お、」"

そろそろ溜まってたし。
軽く一発出来んじゃね？

そんな冗談めいた考えからだった。

TH「家来たら？」

付き合って3ヶ月で家に呼ぶってことはそういうことだとさすがに分かるだろう。

『料理どんなのが良いですか？』

TH「料理も良いけどさ、食いたいのはコッチ。」

分かるでしょ？と嘲笑気味に言うと、ひどく狼狽えていた。

…え、本当に手料理を振る舞うだけだと思ってたの？

壁に体を付けて手を上げて、
簡単に服を巡って腹をなぞればどうってことのない声のあげ方。

『テ、テヒョンく、』

TH「何？」

俺が上を脱いだだけで顔を赤らめる。
…ああ、単に経験ないんだってそれだけで分かった。

なら、はじめては俺だよね。
なら、めちゃくちゃにしても良いわけだ。

…出来なかった。
だって、

TH「……進まないんだけど、」

手始めの耳だけで、こんな有様なのだから。