54. 一番大事なもの ページ9
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なんにもできなかった。
俺が、早く行動を起こしていれば…
Aをあんな目には…
『くっそ…、なんであいつなんだよ……なんでいるんだよ、』
「……ここ、君の場所だった？」
『え？』
「寝心地よさそうだったからさぁ…つい、」
『は、は………花沢 類さん！！？』
誰もいないはずのＣ５サロンでひとり落ち込んでいると、ソファーにはなぜか……
あのＦ４のメンバー、花沢さんが寝転がっていた。
「…………おれたち、知り合い？」
『い、いえっ……お、お兄さんとは初めましてです…！』
「え、でも今」
『Ｆ４のこと知らないやつなんてこの学園にはいませんよ！』
「ふーん……あっそ、」
や、やべえ。こんなところで会えるなんて…！
でも俺いまテンパって、お兄さんって言っちゃったよな…？
し、失礼だったか…？
『あの、ここで何を…』
「妹を迎えに来たんだけど、連絡つかなくてさ」
(わざわざ花沢さんが迎えに…？)
『……か、会社のほうは大丈夫ですか？』
(って何聞いてんだ、俺！)
「……大丈夫じゃなかったら、ここにいないと思うけど」
『え？』
ってことはあの事件、どうにかなったんだな…
じゃあ、あいつはもう…
『…あのっ、』
「何？」
『こんなこと聞くの失礼だって思ってるんですけど……俺いま、いろんなことがごっちゃなってて…』
『大事なもんがわからなくなって、雁字搦めで……こういうとき、道明寺さんならどうします？』
花沢さんが目の前にいるのに、俺はなんてこと聞いてんだよ。
けど、一番近くにいる花沢さんなら道明寺さんのこと…
あいつのこと…
「…………さぁ？」
『……で、ですよね』
やっぱり俺、しょうもねえな…。
花沢さんにこんなこと聞いたって、分かるわけねえのに。
また落ち込みかけたとき、階段を降りる花沢さんの足が止まった。
「司は野生だからさ、」
『……？』
「そのごちゃっとした中の、一番大事なものしか眼中にないよ」
『一番、大事なもの……。は、花沢さんの一番大事なものは何ですかっ？』
再び離れていく背中が立ち止まる。
ゆっくりと振り返ると、花沢さんは一瞬やさしく微笑って、俺にこう言った。
「…………もったいないから教えない」
今度こそ去っていく花沢さんの背中に、俺はもういちど、心に決めた。
俺が一番大事なものは、……あいつだ。
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I(プロフ) - 美紀さん» 美紀さん、ありがとうございます！！！…そんなそんなっ、読んでくださるだけでも有難いのにタメ語でお話するなんて恐れ多いです〜…((+_+)) (2018年5月31日 1時) (
レス) id: 408ad8cdff (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでと(^^♪作者さんタメでいいよ (2018年5月30日 19時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - 由良さん» 由良さん、お読みいただきありがとうございます！！たったいま更新したので、ぜひお楽しみください(*^-^*) (2018年5月29日 21時) (レス) id: 408ad8cdff (このIDを非表示/違反報告)
由良 - 更新楽しみにしてまーす！ (2018年5月29日 16時) (レス) id: 3c3c648279 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - 蓮さん» いえいえっ、蓮さんの後押しがなければ書くことができなかった作品なので、蓮さんに読んでもらえて本当にうれしいですっ！！ たったいま更新したので、ニヤニヤしながら(できるかしら笑)お読みくださいっ☆ (2018年5月26日 17時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I
| 作成日時：2018年5月22日 18時
